サントリーニ島(2014.5.1~5.13) 5月3日夕刻。例によりホステルのテラスで夕陽を眺めながら地元のスーパーで買い込んだビール、フランスパン、ソーセージ、惣菜サラダなどで簡単に夕食を済ませ、一緒にいた若者全員で村はずれの居酒屋にくりだすことになった。
ユースホステルのバーテンダーであるグラスゴー出身29歳のジェイミーと彼の恋人で同じくホステルで受付嬢をしているリバプール出身21歳のリディアの二人が案内役。これに南米の男子学生三人組、オランダ留学中の韓国女学生、台湾の小学校の先生イーチャン、マレー系カナダ人カップル、それにカナダの聖少女アリーゼが加わり合計11人。
居酒屋まで歩いて20分。お金のない若者たちなので居酒屋で注文するのはビールかコーラだけで些か寂しい。小生がささやかな男気を出して3、4皿料理を注文して皆でシェアしたら多少盛り上がってきた。居酒屋は欧米のカップルや家族連れなどでほぼ満席。居酒屋の主人がギターを弾いてアコーデオンやバンジョー(?)のトリオで賑やかにギリシア民族音楽を奏でている。
小生が景気づけに盆踊り風グリーク・ダンスを披露すると満場の拍手喝采。欧米の観光客は慌ててカメラやビデオなど取り出して珍風景を撮影。主人も大喜びで我々一行全員にラキアというジンのような地元の蒸留酒をふるまってくれた。若者一行も一気飲みして盛り上がってきた。
主人が日本人かと聞くので「イエース!」と答えると主人は破顔一笑し一枚の古い写真を持ってきた。それは40年も昔の若き日に船乗りとして広島の近くに寄港したときに広島平和公園で道案内してくれた地元の女子高生とのツーショット写真であった。目の前にいる髪も髭も真っ白で酒焼けして赤ら顔のビヤ樽肥満体のオヤジがセピア色の写真ではスリムな体型に当時流行りのベルボトムのジーンズを穿いて長髪にもみあげを伸ばしており、かなりのハンサムだ。70年代のロック歌手のような雰囲気である。隣に清楚なセーラー服の女子高生が笑みを浮かべて佇んでいる。