定年バックパッカー海外放浪記

2015年9月20日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

男女六人物語
世界で一番美しい『絶景ハイキング』

 5月5日午前9時、ユースホステルで同宿の男女六人はハイキングに出発した。フランスのトレッキング雑誌で「世界で一番美しい」と推奨されたサントリーニ島西端イオ村から中心部の町フィラまでの約10キロの海沿いの断崖絶壁の上の道を歩くハイキングコースだ。途中には海抜数百メートルの山が幾つかあり変化に富んでいる。

 実は前日にこのハイキングを計画していたが、前々日夜の居酒屋でのラキア酒乾杯により大半のメンバーが二日酔いとなり一日延期した経緯があった。

 メンバーは同部屋のイタリア出身失業青年マルコ、カリフォルニア出身カメラマン志望パトリック、マレー系カナダ人学生カップルのジャッキー&アルビナ、それにカナダの聖少女アリーゼの六人である。

 最初の40分は白い三つの教会で有名なイオ村の遊歩道からチャペルのある小高い丘まで。なだらかな斜面を島の南側の紺碧の海を真下に見ながらゆっくり登ってゆく。肥満体のパトリックは息を切らしながら大型のニコンでバシャバシャと撮影しながら歩いている。

小高い丘の上のチャペル

 大型クルーズ船が何隻も朝陽に白い船体を輝かしている。サントリーニ島のカルデラの水没した火山口、すなわち現在では島で囲われた内海のようにみえる海域をクルーズ船は微速で航行している。

 チャペルの丘で小休止。ジャッキー&アルビナのカップルは二人ともアスリートであり、断崖絶壁の岩のてっぺんに登って記念撮影をしている。見ている当方がハラハラする。アリーゼはマリア像に向かって静かに祈っている。マルコは遠くを眺めながら日頃の癖で60年代アメリカンポップスを鼻唄している。チャペルからの眺望は素晴らしく、遠くのフィラの町並が白く輝いており、雪が降り積もったのかと見まがうほどだ。

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