WEDGE REPORT

2015年10月17日

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 さて、ここからは、今回開催されたUS Sumo Openの相撲と日本の大相撲の違いを見ていくことにしよう。その前に、それぞれの共通点だが、ルールや土俵の大きさなどは同じだ。これらは世界相撲連盟による国際基準が定まっているため、違いはない。しかし、「環境も状況も背景もまったく違う」とフロインドさんは話す。

 「プロの大相撲は、日本文化に根ざしたもの」。たとえば、日本相撲協会の広報によると、塩まきは、土俵の邪気を払い清めるという意味でおこなわれているものだ。しかし、アメリカでは、ひとつのスポーツとして捉えているため、塩まきは行わない。また、土俵入りを神社におさめるが、それもアメリカでは行わない。髷を結うことは、江戸時代から伝統として続いているものであるが、アメリカではその必要はない。

 「土俵もまったく違う」。アメリカでは、相撲リングと呼ばれる土俵は、プラスチック製のキャンバス「ポータブル土俵(簡易土俵)」が使用される。「日本以外の国では、大抵プラスチック製が使用されている」と、フロインドさん。日本大相撲で使用される土俵は日本でも数が限られており、職人ありきの非常に高価なものだ。このため、世界大会では、ポータブル版で対応するというわけだ。

 また、大相撲の行司(アメリカでは主審と呼ばれる)の服装は「行司装束」と呼ばれ、こちらも伝統として続いているものだ。しかし、アメリカでは、蝶ネクタイで、全身白のシャツとパンツを着用する(相撲を含む空手や柔道などマーシャルアーツでは、大概白の衣装の着用が義務付けられている)。このように、相撲ひとつをとってもさまざまな違いが見られることも、アメリカのユニークな点のひとつだろう。           

  
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