米カリフォルニア州ロングビーチにあるカリフォルニア州立大学ロングビーチ校で、8月8日にアマチュア相撲大会「第15回米国相撲オープン(US Sumo Open)」が開催された。今年は4000人近くのファンが観客として駆けつけた。「US Sumo Openは、日本を除く世界最大の相撲大会の一つで、2001年からスタートした」。
そう話すのは、US Sumo Openを主催し、国際相撲連盟の傘下にある組織「USA Sumo(アメリカ相撲)」のディレクター、アンドリュー・フロインド(Andrew Freund)さんだ。「大会には、これまで26カ国以上が参加しているが、今年は10カ国から約50人の力士たちが参加した」
USA Sumoでは、通常、どのようなことが行なわれているのだろうか。まず、フロインドさんにフォーカスすると、Grand Sumo Las Vegas(グランド相撲ラスベガス)などで、サブの司会を担当したり、コーディネーターの仕事を行なう。組織としては、アメリカ国内や国外で、世界相撲選手権大会で優勝した力士から、相撲のテクニックやトレーニング方法、相撲の文化が学べるデモや講演の開催などを行う。「これらを通じて、ひとりでも多くのアメリカ人に相撲の楽しさを知ってもらい、自ら相撲を学び、最終的に、相撲競技人口を増やすことが目的だ」
アメリカ人全体の相撲レベルを上げたい
そして、USA Sumoの主要なイベントが今回の大会、US Sumo Openだ。開催のきっかけをフロインドさんはこのように話す。「97年に仲間と数人で相撲を始めた。しかし、アメリカでは相撲大会が開催されていなかった。普段の成果が発表できる場、つまり、大会がなければ、選手にとっては練習する意味がないといえる。そこで、自ら大会を創設した」。このように草の根的に始まったフロインドさん主催の大会だが、小錦や武蔵丸などをゲストとして招待したり、昨年は、57名が競う北米史上初の最大の大会にまで成長した。
「アメリカ国内では、ケーブルテレビ『Universal Sports Network』を通じて、2時間のテレビ放映がされたほど」。また、国際大会として存在し、海外の選手同士が戦えるのはこのUS Sumo Openだけだ。「アメリカ人の相撲のレベルはまだ低いのが現状だ。このため海外の選手と戦える機会を提供することで、アメリカ人全体の相撲レベルを上げたい」