2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2015年11月12日

 川口亘太氏はNPBのアンパイアであり、22年1600試合以上の経験を誇る。今回プレミア12の審判に選ばれたが、「試合での動きは、日本でのゲームと同じですが、言葉が通じないので少し不安はありますね」と語る。アンパイアミーティングを終え、一緒にチームを組むメンバーの母国語は、英語が2名、スペイン語が1名、日本語が1名だったという。

 しかし、NPB審判部長の友寄正人氏は心配していない。「NPBから選りすぐった6名ですので、技術的なことは何も心配をしていません。確かに色んな国から審判が集まっていますので、言葉の問題はあります。コミュニケーションで戸惑うんじゃないかな、と。ただ、私もWBCの第二回大会に参加した経験があって言えるのですが、言葉は通じなくてもやることは同じで、上手く連携が取れるようになると思っています」。さらに今後、国際大会が増えていくことになると思うと話し、「現状、アマチュアの方が国際大会の試合が多いんです。今回、そんな中でチャンスがある。国際大会ですから、選手たちは国の威厳を背負ってプレーします。それは私たち審判も同じ。どの国の審判にも負けたくないという気持ちでやっています。私もこの大会が楽しみです」

開幕戦は白熱の日韓戦

先制打は中日の平田良介選手。三塁ベースに当たるラッキーなヒットとなった。3点目となる追加点も粘り強いバッティングから記録するなど2安打2打点の活躍

 開幕戦は、11/8札幌ドームで行われた日本vs韓国の一戦だった。日韓戦というと、どうしてもサッカーのイメージが強い。サッカーではA代表の日韓戦が1954年のワールドカップ予選でスタートして以来、今年8月の東アジアカップまで74試合が行われている。日本は13勝38敗23引き分けと分が悪い。一方野球では、2000年のシドニーオリンピックから、プロ選手が代表入りするようになり、前年のオリンピック地区予選でトップチームの戦いが始まった。当時はプロアマ混在チームで、プロからは松坂大輔選手(ソフトバンク)や今年ソフトバンクを退団した松中信彦選手らがおり、アマからは当時大学生だった阿部慎之助選手や杉内俊哉選手(ともに現・読売ジャイアンツ)らがプレーした。シドニー、アテネ、北京でのオリンピック、また2006年から始まったWBCとあわせて、日韓戦の成績は日本の6勝9敗となっていた。

巨人坂本勇人選手は、攻守に光るプレーを見せた。日本チーム初ホームランも坂本選手のバットから

 トッププロが加わって16試合目となった日韓戦は、地元・北海道日本ハムファイターズのエース大谷翔平投手が最速161kmのストレートで会場を沸かせる熱投で、6回10奪三振の零封。打っては中日の平田良介選手が3塁ベースに当たる幸運なタイムリーなど2打点。さらには巨人・坂本勇人選手も犠牲フライとチーム初本塁打となるソロホームランで2打点など、着実に追加点を重ね、12安打で5得点。守っては8回1アウト1・2塁のピンチにショート坂本選手がセンターに抜けそうな当たりを横っ飛びのファインプレーで盛り立てるなど、ピンチの場面はあるものの、2番手・則本昂大投手、3番手・松井裕樹投手(ともに東北楽天ゴールデンイーグルス)が韓国打線を抑え、5-0で大事な初戦をものにした。


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