2024年12月22日(日)

WEDGE REPORT

2016年1月10日

「Breakaway Matcha」の経営者でシェフのEric Gower氏

 もちろん、レストランでも抹茶の取り扱いが始まった。レストラン評論家のジョナサン・ゴールドが評価するフランス料理店「Trois Mec(トロイス・メック)」、料理界のアカデミー賞といわれるジェームス・ビアード賞を受賞したシェフのレストラン「Tavern(タバーン)」などの高級レストランでは、ブレイクアウェイ・マッチャの抹茶(ハイパープレミアム・宇治産、西尾産)を提供する。

 また、フランス料理を主とする「République(リパブリック)」では、2013年からブレイクアウェイ・マッチャの抹茶(水出しオリジナル・宇治産)を使って、抹茶ラテや抹茶アイスティを出す。「初めて飲んだとき一気に虜になったので、来店客も気に入ってくれると思った」と抹茶を出す理由を話すのは、経営者のウォルター・マンズキー(Walter Manzke)氏。

フランス料理を主とする「République」の内装。ここでも抹茶が提供されている

 最後に紹介するのは、135位にランクインした「ラーメン」だ。アメリカのラーメンについて、ロサンゼルス情報を提供するウェブメディア「laist(laイスト)」や「LA Weekly(LAウィークリー)」などでは、このように表現する。「以前、金銭面で苦労する大学生が食べるラーメン(インスタント)が、今では、フーディ(食べ物に強い関心がある人)が、職人技のスープやタレの虜に」。

ラーメンバーが―を掲げるケイゾウ・シマモト氏

 現在、アメリカのラーメン屋は、日本からの出資や日本人経営が多い。しかし、タイム誌で「最も影響力がある17のバーガー」のひとつに選ばれたラーメンバーガーを提供する「ラーメンバーガー」は、日系アメリカ人のケイゾウ・シマモト氏とジェフ・シマモト氏が共同経営者だ。「ラーメンバーガーの人気の秘密は、日本人のコンフォートフード(食べるとホッとする料理)のラーメンと、アメリカ人が好きなビーフを融合したこと」と、ジェフ・シマモト氏。また、鶏がらスープを使った通常のラーメンは、口コミで広がり瞬く間に人気に。「2014年の半ばは、顧客の80%はアジア人だったが、今は、50%に。つまり、これまでラーメンという食文化がなかったアメリカ人も食している、ということだ」。

 このように、日本の食材はアメリカでも浸透してきた。しかし、ここでいうアメリカとは、ニューヨークやロサンゼルスなどの大都会に限られるだろう。本当の意味での浸透は、これからに違いない。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。


新着記事

»もっと見る