理想の形はレンジファインダーカメラ?
自由なデザインができるからと言っても、結局、奇抜な形のミラーレスは生まれてこなかった。ハイエンドモデルは一眼レフをそのまま小型化したようなデザイン、入門機や普及機はコンパクトデジカメとほぼ同じ形に落ち着いた。これは日本人が小型軽量にこだわることにも原因があり、ミラーレスを限りなく小型化していけばレンズの直径ギリギリの高さで右側にグリップがある直方体になってしまう。またEVF搭載モデルに関しては、カメラの中心部にファインダーがある方がタテ位置でもヨコ位置でも見やすいため、左右にオフセットしたモデルは作りにくいと思われる。
その常識を打ち破るハイエンドモデルが富士フイルムとオリンパスから相次いで発表された。
まず、FUJIFILM「X-Pro2」は、なんとレンジファインダーとEVFのハイブリッド式ファインダーを搭載。大柄なボディは戦前の銀塩カメラを思わせる。
OLYMPUS「PEN-F」は同社の傑作カメラ、ハーフサイズの一眼レフカメラであるペンFのデザインをかなり意識した形をしている。どちらもEVFはカメラ中央ではなく端に取り付けられ、デザインを優先するため内蔵ストロボは省かれている。
「X-Pro2」の右側にある透明な窓が世界唯一のアドバンストハイブリッドマルチビューファインダー。LEICAのように専用の光学系を使ったOVFとEVFをレバーで切り換えられる。さらに凄いのはOVFの右下にEVF小窓の表示ができるのだ。
カメラ軍艦部はシンプルにまとめられ、シャッター速度兼ISO感度設定ダイヤル、露出補正ダイヤル、シャッターボタンにほぼ占められている。
OLYMPUS「PEN-F」は左側のオリジナルのペンFではシャッター速度ダイヤルがあった位置にダイヤルを新設。クラシックな雰囲気を増している。レンズマウントはセンターからややオフセットされた位置にある。
軍艦部はにぎやかで銀塩のペンFのようにはいかなかったようだ。EVFをのぞいたままの操作性を確保するには、どうしても専用ダイヤルやボタンが増える傾向にある。