2024年11月22日(金)

海野素央のアイ・ラブ・USA

2016年2月11日

—— 地の利もサンダース候補にあったとか

明治大学海野素央教授

 先週の夕方、ニューハンプシャー州のコンコード市内で、戸別訪問をしていた時のことです。歩いていると、「キャピトル・ストリートはどこかわかりますか?」と、自動車を運転している白人男性から尋ねられたました。私もわからないので、「ステイト・ストリートなら、そちらの方向です」と、指差しました。

 ところが、男性はそれに答えることなく、「帽子を変えた方がいいんじゃないのか?」と、私に言いました。私は、(ヒラリー)クリントン候補を支持する「H」のロゴが入った帽子を被っていたからです。彼は助手席に置いてあった「バーニー(サンダース)」と書かれた帽子を見せたのです。「どこから来たのですか?」と尋ねると、隣の「バーモント州からだ」と。バーモント州はサンダース候補の地元なのです。

—— トランプ候補のほうはいかがですか?

海野 驚くことにドナルド陣営もアイオワ州の教訓を活かして今回から、戸別訪問を始めたようです。トランプ候補はニューハンプシャー州での勝利宣言において、「この1週間で、地上戦の戦い方を学んだ」と話していました。この対応の速さは凄いと思います。

 しかし、1週間では付け焼刃とも言えるでしょう。もともとオバマ大統領が、シカゴの貧困地区で「何か困り事はないですか?」と、一軒一軒訪ね歩くコミュニティ・オーガナイザー(地域福祉活動家)をしていた時の着想で生まれたのが、オバマ陣営の戸別訪問です。それを投票に結びつけるために、「ドブ板」ではなく「科学」と言ってよいほどまで洗練させました。トランプ陣営がどこまで洗練させてくるか見ものではあります。


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