2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年2月22日

 今後アフリカは経済上、安全保障上の重要性を増していく。アフリカに対する協力活動を強化すべきだ。

出 典:Joshua Meservey ‘Four U.S. Policy Priorities for Africa in 2016’(Heritage, January 15, 2016)
http://www.heritage.org/research/reports/2016/01/four-us-policy-priorities-for-africa-in-2016

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 4つの優先課題はいずれも重要なことです。リビアのISISやナイジェリアのボコ・ハラムの活動などテロへの警戒と対応が特に重要です。1月15日にはマリでマグレブ・アルカイダのテロ事件が起きました。そのためにも長期的には経済、政治の安定化が不可欠です。商品価格の低迷と中国経済減速のアフリカへの影響が大いに懸念されます。筆者は、対アフリカ政策に当たって、米国が「独英仏など同盟国」との協力を強化すべきと提言していますが、日本への言及がないのがやや気になりますが、TICAD開催など日本の活動は米国などにより良く理解されています。

新興国勢い失う中TICADが果たせる役割は

 目下世界経済が商品価格低迷と中国経済の減速によりおかしくなっています。それはアフリカにも大きな影響を与えています。産油国のナイジェリア等は財政赤字に陥っています。中国経済の影響の大きさを改めて認識させられます。経済が今年の世界の課題の一つになっています。中国経済の管理を中国がうまくやることを確保する、換言すればうまくやらせることが今年のグローバル・ガバナンスの最大課題です。

 日本は6月26-27日にG7首脳会議を主宰します。日本が活躍する良い機会です。まずG7で中国経済などを議論し、G7での政策協調を達成した上で、9月のG20に繋いでいくことが重要でしょう。他のBRICSであるブラジル、南アフリカ、ロシアも問題を抱えています。新興国の勢いが崩壊しつつありますから、G7で主要新興国とのアウトリーチ会合も必要ではないでしょうか。今年はG7復活の年になるかもしれません。

 日本の対アフリカ政策の一つの支柱であるTICAD (アフリカ開発会議)第6回会議が今年ケニアで開催されます。来るTICAD VIは、従来の5年毎の日本開催を変え今後3年毎にアフリカと日本の間で交互開催にすることにした最初の会議になります。中国の減速などはアフリカにも大きな影響を与えていて、この会議は大事な会議になります。

  
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