世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年3月3日

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 中国の野望が実現すれば、日印両国にとって不利な地域秩序が出来てしまうことは明らかである。日印両国は、ミャンマーやスリランカのように中国の圧力に脆弱な国に対する政策や投資につき調整すべきである。

 アジアの主要国は、安定した地域のパワーバランスを維持するために協力すべきである。日米印の「マラバール訓練」は軍事面での協力強化と海洋の安全強化のために有益である。

 如何なる戦略も経済抜きでは完全ではない。アジアの主要国は、自由貿易地域を超えて、小国の核心的経済利益に資する地理経済学的な共同プロジェクトに着手すべきである。それが出来れば、小国が中国の投資やイニシアティブに頼る必要はなくなる。安定した規則に基づく秩序が維持出来れば、より多くの国がその秩序の中で繁栄できる。

出 典:Brahma Chellaney‘Upholding the Asian Order’(Project Syndicate、January, 22、2016)
http://www.project-syndicate.org/commentary/asian-powers-cooperation-for-regional-order-by-brahma-chellaney-2016-01

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日米印関係が中国覇権主義への協力な対抗に

 筆者のチェラニー教授は、ジャーナリスト出身の著名なインドの戦略専門家です。中国の膨張主義に対抗するためには、日米印の三か国の協力が必要であり、また、弱小国が中国の経済的圧力に屈することのないように、経済面で大型の共同プロジェクトを立ち上げる必要があると論じています。インドの置かれている戦略環境が良く解る論調と言えます。

 2015年12月、安倍総理が訪印し、モディ首相との首脳会談の後、「日印新時代」の道しるべとなる共同声明「日印ビジョン2025特別戦略的グローバル・パートナーシップ、インド太平洋地域と世界の平和と繁栄のための協働」に両首脳が署名しています。この共同声明を読むと、日印間で極めて多様な分野に亘り、協力関係が進みつつあることが理解できます。

 首脳会談の冒頭、モディ首相は、日印関係は一段上のレベルに上がっている、強いインドと日本はお互いにとって重要であり、その友好関係はアジア全体に大きな影響を及ぼすと述べたのに対し、安倍総理は、日印関係は「世界で最も可能性を秘めた二国間関係」であり、モディ首相と協力して、日印関係を可能性のつぼみから、現実に開花させて咲き誇る関係にして、日印新時代の幕開けを迎えたい、強いインドは日本のためになる、強い日本はインドのためになる、強固な日印関係でインド・太平洋地域、さらには国際社会の平和と繁栄を牽引していきたいと述べたと発表されています。

 このように、良好な日印関係が、中国の覇権主義に対抗する方策を、米国と共に構築していく上で、強力な基盤となることは確かです。

  
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