2024年4月20日(土)

前向きに読み解く経済の裏側

2016年6月13日

 

国債暴落によるインフレの可能性も

 国債が暴落するか否かを予想することは困難です。「日本政府が破産しそうだ」という噂が拡がれば、来年にでも暴落するかも知れませんし、30年経っても暴落しないかも知れません。

 ただ、日本政府が破産すると人々が思った場合には、猛烈なインフレが予想されますので、注意と備えが必要になります。

 日本政府が破産しそうな時には、誰も国債を買いませんから、日本政府は国債が償還出来ません。仕方なく日銀から借金をして国債を償還することになるので、世の中に資金が出回ります。一方で、国債保有者が国債の償還を受けると、受け取った現金を直ちにモノか外貨に換えようとします。破産する国の通貨など持っていたくないからです。

 彼等が現金をモノに換えれば、モノの値段が上がるので、直ちにインフレになるでしょう。彼等が現金を外貨に換えれば、外貨が値上がりするので輸入品の価格が上昇し、やはりインフレになるでしょう。

インフレに強い資産は?

 こうした事を考えると、現金や銀行預金などは「リスク資産」であることがわかります。株やドルは値下がりのリスクはありますが、インフレに強い資産なので、インフレが予想される時には現金や銀行預金などとどちらが安全かわからないほどです。「買うもリスク、買わぬもリスク」といったところでしょう。

 筆者は、インフレに強い資産構成を推奨しています。現金や銀行預金は少なめにして、ドル、株、物価連動国債、変動金利型国債といったインフレに強い資産を多めに持つようにするのです。

 ドルや株は値下がりのリスクがありますが、様々な資産に分散しておけば、最悪でもどれかは資産価値が保てるだろう、というわけです。

 

  
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