しかし、前回の記事で紹介した、『話相手をするロボット「チャットボット」』によって、それらのアプリの多くが置き換えられてしまうかもしれない。サービスを利用するユーザーは、スクリーン上の個別のアプリをタップして起動する代わりに、Facebook MessengerやLINEなどのメッセンジャーアプリの中で、友達に対するようにチャットボットにテキストで話しかけられるようになる。
チャットボットがアプリに取って代わる
高機能スマホが必要なくなる?
これまでアプリの開発者は、それぞれのOSのジェスチャーの機能を駆使したグラフィカルなユーザーインターフェース(GUI)によって、アプリの魅力を向上させることに腐心してきた。しかしチャットボットはテキストでの会話という非常にシンプルなインターフェースなのでGUIはまったく不要になる。さらにiOSかAndroid OSかという違いも、ユーザーからは見え難くなってしまう。サービスの提供者は、2つのOSに対応したアプリではなく(例えば)Facebook MessengerやLINEに対応したチャットボットを開発することになる。
チャットボットはサーバーで動くソフトウェアで、スマートフォン上ではテキストベースのメッセンジャーアプリが動くだけなので、スマートフォンがそれほど高性能である必要はない。チャットボットが広く普及して、サービスを提供するためのプラットフォームとしての座をメッセンジャーアプリに奪われてしまえば、ハードウェアとOSでの差別化が困難になり、iPhoneのようなハイエンドのスマートフォンの価値がますます薄れてしまう。