GDPの統計が間違っているのかも
本当にゼロ成長ならば、景気が悪いのですから、失業が増え、企業の利益も減るはずです。失業に関しては、上記のように医療や介護が伸びていることである程度説明ができるのでしょうが、他の職業の従事者も増えていますから、それだけで説明するのは難しいかもしれません。
今ひとつ、企業収益が比較的好調なことも気になります。不況ならば企業収益は悪化するはずだからです。
もしかすると、本当はGDPはもっと増えていたのかも知れません。GDPが増えているのに、統計作成官庁がそれに気付かなかったという事かも知れません。専門的になりますので細かい事は書きませんが、たとえば民泊などの新しい動きを統計作成官庁がどのように把握しているのか、気になります。
統計作成は大変な作業で、担当官庁には本当に頭が下がります。決して批判しようとは思っていませんが、統計を使う側が、統計を作ることの難しさを理解した上で、発表された統計を「幅を持って理解する」ことが重要なのかも知れませんね。
なお、本稿に御興味をお持ちいただいた方は、GDP等についての詳しい説明がブログの拙稿(http://ameblo.jp/kimiyoshi-tsukasaki/entry-12159998185.htmlおよびhttp://ameblo.jp/kimiyoshi-tsukasaki/entry-12160000759.html)にありますので、そちらも併せて御覧いただければ幸いです。
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