Wedge REPORT

2016年5月20日

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船体部分開発を担う「719研究所」

中国の空母「遼寧」。原子力空母の建造も進めているといわれる
(IMAGINECHINA/AFLO)

 浮動式プラントは、船体部分とこれに搭載する原子炉に分けて開発が進められている。船体部分を担当するのが国有造船大手で10大軍需工業集団にも数えられる中国船舶重工集団公司(中船重工)。同集団傘下で、中国唯一の原子力艦船の全体設計研究機関として40年の歴史を持つ「719研究所」が設計を担当している。

 同研究所は2014年9月、国家能源局の承認のもと、中国を代表する原子力事業者である中国核工業集団公司(中核集団)と中国広核集団有限公司(広核集団)傘下の設計院等に呼びかけて「国家能源海洋原子動力技術研究開発センター」を湖北省に設立した。同センターが、浮動式プラントを配備する場所の選定や設計、製造、運用、廃止措置までを行う。

「719研究所」は、「水面浮動式」と「水中潜水式」の2つのタイプを設計している。いずれも中国海洋石油総公司向けに設計したものである。

 搭載する原子炉は、中核集団と広核集団が開発している。中核集団の専用小型炉は「ACP100S」(電気出力10万kW)、広核集団は「ACPR50S」(熱出力20万kW)で、いずれも加圧水型炉(PWR)タイプ。中核集団は年内にも実証炉の建設に着手し19年に完成させる。広核集団は17年に実証炉の建設を始め20年に完成させる。中核集団は、「ACP100S」以外にも、より小型の「ACP10S」と「ACP25S」も開発しており、需要に合わせて組み合わせて使用する。

 浮動式プラントの建造計画は、今年1月に大きく動き出した。国家発展改革委員会は中船重工が申請していた国家エネルギー重大科学技術イノベーションプロジェクトである「海洋原子動力プラットフォーム実証プロジェクト」の立ち上げを承認した。広核集団と中核集団も、浮動式プラント向けの専用小型原子炉をエネルギー重大科学技術イノベーション第13次5カ年計画に組み込むことを国家発展改革委員会が承認したことを明らかにした。

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