2024年4月25日(木)

WEDGE REPORT

2016年5月30日

 「クルマの本質は走る歓び」という意見が根強いし、安全の観点からも基本的な走行性能は担保されるべきだ。その一方で、「若者のクルマ離れ」が叫ばれて久しい。その最大の原因の1つが、クルマの運転中にスマホを操作できない点にあると聞けば、いくらクルマ好きが走りを重視しているとしても、つながる機能を無視していては、今後のクルマ作りはできないはずだ。

 実際、アメリカで最も高いシェアを誇るシボレーの調査によれば、若者の半数以上が「クルマを運転する」より、「SNSで友人とつながっていたい」を選んだという調査結果もある。ホンダが協業するドライブモードというベンチャー企業に足を運んだ。サンノゼの住宅街の一角に、DriveModeと書かれたクルマのナンバープレートが掲げられている。「今まさにガレージで起業したばかり」といった雰囲気だ。

サンノゼの住宅街の一角にあるドライブモードのオフィス。ガレージで仕事をしていた (撮影:生津勝隆)

ハーバードビジネススクール卒業の日本人コンビ

 創業者の古賀洋吉さんと上田北斗さんが出迎えてくれた。古賀さんは明治大学を卒業後、コンサルタントとして働いた後に、ハーバード大学でMBAを修めた人物だ。「英語ができなくて死にそうになった」と笑いながらハーバード時代を振り返るが、その後、ベンチャーキャピタルなどの仕事をした後、起業のため西海岸へ移り住んだ。

 「アップデート可能なスマホのアプリと比べて、車載カーナビが時代に取り残されていることに疑問を持って、『スマホとクルマで新しいことをする』というコンセプトのもと、起業しました」と、古賀さんは話す。

 創業者の古賀さんが「そういえばテスラで働いているハーバードビジネススクールの後輩がいたな」と声を掛けたのが、共同創業者の上田さんだ。上田さんはテスラモーターズでイーロン・マスク氏と一緒に働いた日本人として、ときどきビジネス誌などで取り上げられる有名人だ。ロサンゼルス生まれでシアトル育ちの日本人で、古賀さんと同じくハーバードビジネススクールの出身である。

ハーバードビジネススクール卒業生で創業者の古賀洋吉さん(左)と上田北斗さん(右)(撮影:生津勝隆)

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