2024年7月20日(土)

古希バックパッカー海外放浪記

2016年8月7日

Larresinglleの巡礼宿(1630年建築の農家を改装)の女主人、ティナおばさん

 他方でイスラム教などは1日5回の礼拝、喜捨(寄付)、断食、聖戦参加、飲酒禁止、豚肉禁止などなど義務と規則でがんじがらめにして天国に行くためのハードルを高くしている。私はイスラム国などという狂気の集団が正当化される根本にはこのがんじがらめの構造があると思うと勝手な自説を展開した。

 親鸞の“他力本願”“悪人正機説”は欧米人にはかなり刺激的であるようで紹介するたびに毎度大きな反響があるので巡礼旅での私の定番となった。

 考えてみれば他力本願とか悪人正機説は高校の日本史の教科書で読んだだけである。さらに振り返ってみると私は定年退職するまで神仏について真剣に考えたことは無かったし、過去に家族・友人も含めて神仏について語り会った記憶もない。日本人どうしで宗教を議論する機会がないというのも不思議である。

“ウキヨエ”“ホクサイ”“ヒロシゲ”

花に囲まれた農家

 仏教の次は浮世絵である。中年夫婦の旦那はパリで開かれた「ホクサイ・ヒロシゲ特別展」が素晴らしかったと浮世絵を称賛。どうも彼のイメージでは葛飾北斎や安藤広重はゴッホやミレーのように清貧に甘んじて芸術至上の生活を送り、死後再評価されて後世に名を残したと誤解しているようであった。

 私は当時の江戸(東京)は世界でも有数の大都市で人口100万人余り。北斎、広重の時代には小説や新聞も出版社から発行されており、浮世絵も大きな版元(publisher)が商業的に浮世絵を生産・販売していたと当時の社会背景を説明。

 北斎や広重も版元の依頼を受けて商業的に成功するようなテーマを設定して図案化作業したのであり、彼らは当然のことながら“売れる作品”を追求していた。つまり現代の人気イラストレーターと同じような稼業であったと説明すると大いに感心した様子であった。


新着記事

»もっと見る