坂本幸雄の漂流ものづくり大国の治し方

2016年7月28日

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坂本幸雄 (さかもと・ゆきお)

現ウィンコンサルタント社長、元エルピーダメモリ社長

日本体育大学卒業後、日本テキサス・インスツルメンツに入社し、93年副社長。神戸製鋼所、日本ファウンドリー社長を経て、02年エルピーダメモリ社長。現在ウィンコンサルタント社長。

 何より現在進行形で、サイノキングテクノロジーのCEOとして、中国の地方政府と交渉をしており、この文化を肌で感じているところだ。

 対策としては「聞く耳をもたない」ことである。条件引き下げを提示されたら、「であれば、この話はなかったことに」と1ミリも譲らないことが肝要である。

 そのためには、交渉前に、「こうした条件になったら交渉を打ち切る」と決めておく「ディールキラー」を明確にしておくことである。推測でしかないが、今回、シャープはこれを明確にしていなかったのではないだろうか。

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 また、最後の最後まで別の選択肢をもっておくことも重要だ。私はエルピーダメモリをマイクロンに売却した際、最後まで別の選択肢をもっていたために、好条件を引き出すことができたと思っている。シャープの場合、産業革新機構が選択肢から外れてから、ホンハイが条件を引き下げ始めた。足元を見られる状況になっていたのだ。

 中国の経済発展に伴い、今後、中国企業と買収交渉をする日本企業も増えてくるだろう。その際、こうした交渉の「文化」を押さえておくことが必須となる。

  
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◆Wedge2016年7月号より

 

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