2024年11月22日(金)

ネット炎上のかけらを拾いに

2016年7月5日

 その日からテレビのニュースでもこの件は取り上げられるようになり、名前はもちろん顔写真付きで報じられていた。Twitterで不適切画像をアップしていたと言っても法には触れていない。法に触れない範囲の行いで、公務員の顔写真がニュースに出ることがあるのだなと思った。

 さらにそこからの展開が面白い。

深刻ぶらず、火消しに走らず、批判に反撃せず

 O裁判官の次男と思われるアカウントが、「とうとう父がYahooニュースを始めいろいろなニュースに載った。いつか載るとは思ってたが流石だなー!これからもいろんな意味で頑張って欲しい。」とつぶやいた。

 こういった “不祥事”や事件が起こるとその子どものことを周囲は心配するものだが、彼は非常に明るい。さらに、友人の母が友人に対して「Oくん(次男)はOくん。いままでどおりに接してあげて。聞くだけでいいから」と声をかけたらしいという事実を明かし、「大丈夫ですよ、お母さん、僕はニュース見て爆笑してましたから!」と笑い飛ばしている。また、この件でフォロワー数が増えたのをいいことに、宣伝として自作のミュージックビデオを公開。ポジティブすぎる様子が超展開であると、ねとらぼの記事にも取り上げられた。参考:「半裸画像で報道された裁判官の事案、息子が高校時代のオリジナル楽曲をTwitterで紹介する超展開に」

 O裁判官たちの明るい様子に感化されてか、芸人のカンニング竹山さんも、ツイッター上でO裁判官と同じポーズでブリーフ画像をアップ。「パンツを新しくした。俺もこの写真はサンミュージックに怒られるのであろうか?」とノリに乗っかった。

 騒動後にO裁判官が、「ヌードフィッシィング(裸で魚釣りをする趣味)」に関するつぶやきを引用して「どうして裸になるのか全然意味がわからない」とつぶやくや否や、「今年の『お前が言うな大賞』決定」とtogetterにまとめられる。これは批判ではなく、ネット民から愛されている証拠だろう。O裁判官のボケに、見る人が突っ込むという遊びである。

 最終的に、ツイッターのご意見番的な立ち位置であるジャーナリストの佐々木俊尚氏さんも、「炎上を気にせず笑い飛ばせるようなこの感覚を、多くの人が持てる時代が来るといいな。支持。」とツイートしている。 


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