2024年11月22日(金)

障害と共に生きる~社会で活躍するチャレンジド

2016年8月12日

初瀬 在学中や就職してから具体的にどのような提案を?

松森 手話のできるキャストの養成であったり、筆談ができるように提案しました。そのほか、アトラクションの音声を字幕で表示するシステムの開発や、アトラクションのストーリーを事前情報として読むことができるストーリーペーパーの導入や、ディズニーシーではショーを手話で表現する手話パフォーマンスもできました。

 現在手話で対応ができるキャストは100名以上いるんですよ。

初瀬 自分の障害を生かすことによって、みんなが楽しめるように提案をされていったということですね。企業にとってもお客さんにとってもメリットが大きい。松森さんが間に入ったことによって、ウイン、ウインの関係になっていったということですね。

ディズニーランド経て社会全体を良くしたい

松森 結婚して、子どもが生まれたので退職したのですがディズニーランドのパーク内だけではなくて、社会全体をもっと良くしたいと思うようになっていきました。

 私は聞こえる世界と聞こえない世界の両方を知っていますし、それが私の強みです。だから、それをユニバーサルデザインで繋ぐアドバイザーになろうと思いました。学生時代や結婚、出産後もいろいろな企業からアドバイスを求められる機会があったものですから、何らかの形で社会に繋がっていけるんじゃないかと。

初瀬 そこは僕も同じような思いを経てユニバーサルスタイルを設立しましたので、社会と繋がりたいという気持ちもよくわかります。
それで、はじめの一歩を踏み出すんですね。

松森 聴覚障害者のための『いくおーる』という情報誌があったのですが、編集長へ「お金はいらないからエッセイを書かせて!」とお願いしたんです。それから連載が始まって10年くらい無償で書き続けました。「聞こえない世界」をあらゆる人に楽しんでもらおうと、子育てから自虐ネタまで入れて(笑)。

初瀬 え~無償で10年間もですか!? それは僕にはできないな(笑)。とても続かないですよ。


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