2024年12月4日(水)

報道にはすべて裏がある

2016年7月26日

 知事と県職員合計4人の一行は、チャーターしたヘリで馬毛島に到着。取材した記者によると、翁長知事が案内役の地権者とともに島内を見てまわり、馬毛島から近い有人島である種子島や屋久島までの距離や、何メートルぐらいの滑走路をひくことができるのか、などを質問するなどしていたという。

百聞は一見に如かず

 馬毛島がある鹿児島県側では、知事の急な視察に対して、沖縄の負担をこちらに押しつけるのかと不安や反発も広がっていることもあって、記者らは視察の目的や知事の真意を質問しようとするが、なかなか答えようとしない。島の印象を聞いても、「百聞は一見に如かずですね」と繰り返すばかりだったという。

 それでも、1時間半の視察を終え、ヘリに乗って帰る直前に、「2、3問だけ答える」と取材に応じ、地元自治体が知事の視察に不快感を示しているがどうかとの質問に、「それは十二分に理解できるが、沖縄に基地負担を押しつけていいのか」と答え、さらに「政府は『辺野古移設が普天間の唯一の解決策』というが、本当にそうなのか。他には可能性がないのか。これからも見るところがあれば、全国いろんなところに見に行きたい」と述べたという。

 これから分かることは、翁長知事は、馬毛島を普天間のオスプレイの部隊の訓練の分散先として考えているのではなく、普天間の部隊そのものの移設先として辺野古に代わる案として馬毛島を提起しようという意図を持っているということである。

 これは、翁長知事が那覇空港に戻り、沖縄のメディアの記者に取り囲まれると、よりいっそう鮮明に述べている。

 記者「これまで沖縄県は移設先については国が決めるべきという立場だったが、今後は県側からも移設先を提案していくということか」

 知事「『辺野古が唯一』ということは、その経過から含めて私どもからすると納得のできないことであります。(中略)地元への配慮を抜きにすれば、辺野古を160ヘクタール埋め立てることと比べ、(馬毛島は)どうかということがある。他の都道府県にもそのような場所はあると思う。辺野古が唯一という言葉は外してほしい」


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