報道にはすべて裏がある

2016年7月26日

»著者プロフィール

 翁長知事の馬毛島視察と、その後の発言を受けて、早速、沖縄の地元紙では、普天間の移設先は他にも選択肢があるのではないかとの報道が相次いだ。例えば、『琉球新報』の7月20日付社説では、「(知事の視察は)政府が『唯一の解決策』とする名護市辺野古以外にも、移設候補地は国内にあるとの問題提起である。辺野古が『唯一』ではないことを政府に突き付け、撤回させる手段の一つとみるべきだ」としている。http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-319544.html

議論のすり替え

 これまでに述べてきたように、おおさか維新が提案したのは、普天間のオスプレイの訓練を馬毛島に分散させてはどうか、との考え方だったが、もはや沖縄では、「馬毛島で訓練ができるのであれば、部隊そのものも辺野古ではなく馬毛島に移せばいいのではないか」といったぐあいに、議論がすり替わっているのだ。

 この状況を防衛省幹部はこう見る。

 「『辺野古移設を絶対に阻止する』と主張する知事に対しては、『対案を出さずに反対と叫んでいるだけ。知事の主張どおりにすれば、普天間の固定化につながる』との批判が少なくありません。今回の知事の馬毛島視察は、辺野古以外の可能性、とりわけ県外移設に向けて取り組んでいるんだというアリバイ作りの思惑があるのではないでしょうか。議論のすり替えは意図的なものではないかと勘繰りたくなります。

 現実には馬毛島に普天間のオスプレイ部隊を移転させることは、部隊運用上の問題などから米軍が同意するとは到底思えず、実現可能性はないに等しく、知事もそこは分かっているはずなのですが……。」

 民主党政権時代に鳩山由紀夫元首相の『最低でも県外』発言が、沖縄の県民世論を県外移設に向けて沸騰させたように、翁長知事による馬毛島視察が新たな火ダネとなってしまうかもしれない。
 

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る