前向きに読み解く経済の裏側

2016年8月15日

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 楽観時計は、「悲観時計が100個の破滅シナリオを唱えているが、いずれも可能性は非常に低い。よって、何も起きないであろう」と言うだけですから、聞いていて面白くありません。固定客はともかくとして、一般の人は話を聞きたいと思わないでしょう。

 一方、悲観時計は、あらゆる可能性を考えてストーリーを組み立てることができます。ドイツ銀行が破綻する、中国のバブルが崩壊する、英国のEU離脱でリーマン・ショック並みの不況が来る、日銀が債務超過に陥る、日本国債が暴落する、等々です。それぞれに、様々な尾ひれをつければ、面白い話がいくらでも作れますから、固定客でなくても話を聞いてみようと思うかも知れません。

悲観時計は賢く見える

 悲観時計は、問題点や懸念材料、リスクシナリオなどを数多く並べるので、賢く見えます。一方で、楽観時計は「大丈夫です」と言うだけですから、賢く見えません。「これほど多くの問題が山積しているのに、それに気づかないのか」と思われてしまいかねません。

 しかも、シナリオが外れても怒られません。悲観時計の予測が外れた時は、人々がハッピーなので、悲観時計のことなど忘れています。万が一非難されても、「私はリスクを指摘しただけですよ。実現しなくて良かったですね」と言っていれば良いのです。

 一方で、楽観時計の予測が外れた時は、人々が苛々しているので、批判されることも多いでしょう。もっとも、楽観時計の予言は、人々も予測ではなく予言として聞いているから、目くじらを立てる人はいないかもしれませんが(笑)。

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