オトナの教養 週末の一冊

2016年8月3日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

中原:つまり、お金がなければビーチでボール1個を使ってビーチサッカーやバレーを楽しめるし、お金に余裕のある人達はヨットなどを楽しむことが出来る。リオのビーチではこのように様々なスポーツを楽しむ人、泳ぐ人、のんびり過ごす人、立ち話をする人と思い思いに過ごしていて、日本のビーチのような規制はありません。

――30年前に印象に残ったこととしてコンサートでの大合唱を話していただきましたが、日本人とブラジル人では音楽に対する距離感が違いますか?

中原:僕が普段接しているのはミュージシャンなのであまり一般性はないですが、一般のブラジル人と比べても、日本人のようにマニアックな聞き方をする人は少ないですね。それよりも生活の中に当たり前に音楽がある。

 例えばブラジルには多くのラジオ局があり、各局ごとにサンバやポップス、ブラジルのカントリー演歌のような曲から英米のヒット曲までを流しています。

 またテレビドラマの影響も外せないと思いますね。ブラジルでは、ノベーラと呼ばれる連続ドラマが帯で毎日3~4つ放送されていて、そのどれもが高視聴率なため、そこで使用されるテーマ曲や挿入歌は、みんなが覚えてヒットするという分かりやすいシステムがあります。

――老若男女問わずみんなが知っている曲が未だにたくさんあるんですね。

中原:そうですね。家族社会の伝統が親から子へ、そして子から孫へ受け継がれているのをすごく感じます。日本のように世代間で断絶していない。ですから、古い曲であっても若い人も知っている。例えば、ブラジルポピュラーミュージックの大御所と言われるシコ・ブアルキのコンサートには親子で来ているのをよく見かけます。

 そしてなにより歌うことが大好きですね。

――カフェやレストランで音楽が流れるとお客さんが歌い出したり、踊ったりすることもあるんですか?

中原:場所によります。アッパーミドルクラスが多いイパネマだとそうはならないと思います。ブラジルのカフェレストランや日本の居酒屋のような「ブチキン」には、日本とは違い基本的にBGMが流れていません。そこでの人々のざわめきやテーブルの音、グラスが触れる音がBGM。これは、とてもリオらしいですね。日本でもBGMが全てなくなると、選曲家を仕事にしている僕としては困るんですが(笑)。

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