オトナの教養 週末の一冊

2016年8月3日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

中原:シュハスコというのは本来BBQなので、日本にあるようなシュハスコレストランに行くのは、誰かの誕生日など特別な日だけで、普段は休みの日に、家の庭やマンションのベランダや共用スペースにシュハスコを炭火で焼ける窯などがあることも多いので、そこで家族や近所の人たちと楽しむものなんです。

 先日、『クレイジージャーニー』(TBS系)にも出演していたファベーラ在住の写真家、伊藤大輔さんの家に遊びに行きました。近所の見晴らしの良いバーで飲んでいたら、そこら中からシュハスコの煙が上がってくるわけです。肉の部位は限られているかもしれませんが、ファベーラでも日常的に楽しまれている。

――ファベーラは知り合いがいないとなかなか入れない場所なのでしょうか?

中原:最近はホテルから出発しているファベーラ観光ツアーもあります。ただ、一口にファベーラと言っても千差万別で、UPPという警察が介入し浄化作戦を行い、ギャングを追い出して非常に安全になった地域もあれば、警察介入後は治安が回復したけれども再び悪化したところ、さらには全く警察も介入できない一般市民からは完全に隔絶された地域もあります。

 伊藤さんが住んでいるバビロニアは、浄化作戦のモデル地区で治安がわりと良いところです。

――ここまでリオのスポーツ、音楽、食と色々とお話を聞きましたが、最後に中原さんを掴んで離さないリオっ子の気質や、日本人との共通点について教えて頂けますか?

中原:全員ではありませんが、基本的にカリオカはお喋りが好きで、皮肉屋でユーモアのセンスがあり、とにかく前向きなところが特徴ですね。喋ることでストレスを発散しているようにも見えます。

 またリオという街自体が、少し歩けばビーチや森と言った自然があるので、日常的に気分をリセット出来る環境にあるのではないでしょうか。

 カリオカに限らずブラジル人は、一見楽天的で大雑把に見えますが繊細なところがあるように思いますね。

 ブラジルには「サウダージ」という様々な感情を表す言葉があり、日本語では「郷愁」とも訳されます。この感覚は日本で言うところの「もののあはれ」に似ていて、日本的な複雑な情緒の感覚が意外とブラジル人にもあるんじゃないかと。全く一緒の感覚というわけではなく、相似形のような感じで、ですね。

  
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