また今年から始まった誕生会については、
「その月は誕生日を迎えた人が2人いて、一番前と後ろに分かれて、先生と私たちがついていろいろなお話をするんです。最初は緊張して話せなかったりするのですが、慣れてくると今日のお祭りのために盆踊りの練習をしたとか、太鼓は叩くのかとか、体格がいいから、何かスポーツをしていたんでしょとか、何気ない内容ばかりですが、とても素直で温かい雰囲気の会話になります」
「私たちにできることはお話をすることくらいです。でも、お母さんより年配の人たちと話すことも大切なのかなと思っています。私たちがこちらに来ることで、少しでも母親や祖母としての気持ちが伝わってくれればいいと思っているんです」
更生保護女性会とは
更生保護を支えるには、国の機関以外に保護司会、更生保護法人、更生保護女性会、BBS会(BBSとは、Big Brothers and Sisters Movementの略)、協力雇用主など複数のボランティア団体や非営利団体の活動なしには語れない。(ご興味のある方は、法務省HPの「更生保護を支える人々」へどうぞ)
今回はその中で市原地区更生保護女性会の方々にお会いした。
そもそも更生保護女性会とは、どのような主旨の団体なのかというと、女性としての立場から犯罪や非行のない明るい社会の実現に寄与することを目的として、地域社会の犯罪・非行の未然防止のための啓発活動を行うとともに、青少年の健全な育成を助け、犯罪をした人や非行のある少年の改善更生に協力することを目的とするボランティア団体で、全国で約17万人おり、地域の公民館、学校等に地域住民の参集を求めて、その地域の実情に即した非行問題等を話し合うミニ集会のほか、親子ふれあい行事や子育て支援の活動などに取り組んでいる。(法務省HPより一部引用)
千葉県内には39地区会があり、約2,900名(平成28年4月現在)の会員がいる。市原地区の更生保護女性会が発足して約50年。メンバーは高齢者が多く最高齢は93歳で若い世代でも50代の前半である。それより若い世代がなかなか増えないために平均年齢は高まっていくばかりのようだ。
市原地区更生保護女性会川口会長の言葉で補足すると、
「国が取り組んでいる『社会を明るくする運動』を土台にして、各地域の支部ごとに地域の実態や問題に応じて、青少年の健全育成と非行の防止、犯罪予防の啓蒙活動を行ったり、市原地区では保護司の方たちといっしょに『一般公開ケース』研究会などにも取り組んでいます」
「非行防止や犯罪の防止に間接的に関わる活動として、立ち直りを地域で支援していきましょうということで、何年も前から市原学園やお隣の市原刑務所に伺っています。誕生会や運動会、矯正展などに参加させてもらっています」
「支部によっては学校の花壇に花を植えたり、整えに行ったりもします。環境がきちんとしていれば子どもたちの心も変わってきますからね。独居老人の会食会なども喜ばれています」