新井さん頼み
グラウンド以外の場所でも、同じベテランの新井貴浩や若い選手たちと、黒田は積極的にコミュニケーションを図ってきた。新井が2000安打を達成する直前、プレッシャーのためか足踏みしていたころ、チームの全員で「まさか、あのアライさんが……」とプリントされた赤いTシャツを着て励ましたのは黒田のアイデアだった。その後、黒田が200勝を達成すると、今度は新井が「あの黒田さんがまさか」Tシャツをつくってお返し。黒田は若手のお手本となった上に、チームの一体感を醸し出す〝陰の演出家〟でもあったのだ。
そういう黒田の穴は、決して小さくない。「前田健太(現ドジャース)がいなくなったときの比じゃない。新井ひとりで黒田のぶんもリーダーシップを発揮できるかなあ」と、いまから気を揉む球団関係者もいる。背番号15が球団史上3人目の永久欠番に決まり、レジェンドの仲間入りも果たした黒田、来年のキャンプにぜひ激励に来てほしいものだが、気が早過ぎるだろうか。
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