香港はもう一つのチベット、ウイグル
英エコノミスト誌は、最新号で香港情勢について中国共産党指導部によって「中国から香港は動乱地区と見なされ、もう一つのチベット、あるいはウイグルになっている」と指摘し、香港の中国からの離脱志向を緩めるためには、香港市民が望んでいるもの、つまり完全な民主を与えるしかないが、本土派が香港の権力を掌握することを恐れた中国政府はその決断ができないと分析している。
かつて、香港は、台湾問題解決のため、中国の一部となった地域がいかに寛容に取り扱われ、一国二制度が正しく機能しているかを示すためのショウケースの役割を負っていたが、いまの香港はまったく逆の役割、つまり、中国に逆らったらどうなるかの「見せしめの場」となっているようだ。
そのなかでは、従来から完全に中国の影響下に置かれていた行政(香港政府)と、過半数を親中派が制するような制度設計にされた議会(立法会)の立法会に続き、今度は司法の場にも、その中国の「長い手」が巻きつき始めた現実を、今回の2議員の資格取り消しのプロセスから、我々は見て取るべきだろう。
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