デスパイネは14年のシーズン途中に来日し、3年間で打率2割7分7厘、54本塁打、87打点。今季は24本塁打、92打点と無類の勝負強さを誇っている。ベストナインのパ・リーグDH部門の受賞は日本ハム・大谷翔平にさらわれたが、これは今年から投手とDHの両方で同じ選手に投票しても構わない、とルールが変わったため。この変更がなければ、デスパイネがダントツで1位だったはず。
このキューバ人は、相手がセ・リーグでもまったく苦にしない。事実、今季の対戦打率は広島に4割1分7厘、巨人に3割6分4厘、DeNAに8割と上位3チームを圧倒。デスパイネを狙う中日にはかねてからキューバとの間に太いパイプがあり、かつてのナショナルチームの主砲オマール・リナレスが02〜04年の3年間プレーし、今年も臨時打撃コーチとして招聘されている。デスパイネが中日に加わったら、連覇を目指す広島、優勝奪回が至上命令の巨人にとっては大きな脅威だ。
ソフトバンクとしても喉から手が出るほどほしい
それほどの大物だからこそ、ソフトバンクとしても喉から手が出るほどほしい。今季、11・5ゲーム差を引っ繰り返されて日本ハムに優勝をさらわれたのは、柳田悠岐の不調や主力投手陣の戦線離脱など様々な原因が指摘されているが、やはり主砲だった李大浩(現シアトル・マリナーズ)の穴を埋められなかったことが大きい。内川聖一や松田宣浩だけではまだ決定力不足で、昨季トリプルスリーを達成した柳田もまだシーズンを通して中軸を担える打者には成長していなかった。その4番の穴にデスパイネがはまれば、他球団にとっては非常に厄介な事態になるだろう。
実はシーズン中、巨人がデスパイネの獲得に動くのではないか、という観測も流れた。巨人とキューバの友好関係もつとに有名で、14〜15年にはフレデリク・セペダがプレーしていたこともあったからだ。が、どうやら2割5分8厘、24本塁打、68打点のギャレット・ジョーンズと来季も契約を結ぶ模様。さて、来日2年目に大爆発といくかどうか。
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