ルワンダに来ると毎回、不思議な出会いが待っている。今回の訪問目的はAMJのルワンダ事務所の開所式だったがパーティーの参加者はいずれもユニークな方々であった。日本人女性にとっての「ルワンダの奇跡」パート1の「山田美緒」さんもその一人であった。パート2の「唐渡千紗さんの生き方」もなかなか普通の男たちには真似が出来ない世界である。
さて、今回のパート3の女性はキガリ在住の「籠田綾」さんである。彼女はボランティアをする人をアシストするJICA(国際協力機構)の職員であるが、美人で聡明で日本ではあまり見かけない不思議な人である。なぜルワンダに来たのかを聞いてみると、彼女は毎日セレンディピティ―(幸運に出会う現象)を楽しんでいるから、ルワンダが大好きだという。今回はそんな意外な出来事を毎日楽しんでいる女性にスポットライトを当ててみたい。彼女にいわせるとルワンダで起る出来事すべてが素敵な偶然であると云う。「貴方にとっての『ルワンダの奇跡』って何?」と聞くとともかくルワンダの空気感が大好きでここにいる全てが「奇跡」かなあと答えてくれた。そんな偶然をきっかけにして毎日幸せ感に満ち溢れているとの回答だった。
彼女は東京大学卒業後、JICAに入構した変わり種(失礼)である。JICAといえば国連高等弁務官の緒方貞子さんが有名だが籠田さんも緒方貞子さんに憧れて就職したのかもしれない。2014年1月からJICAルワンダ事務所にて水・衛生セクター、ITセクター、広報などを担当している。大学卒業後、興味と好奇心から何となくJICAに入構してザンビアで3カ月間の海外研修を受け、アフリカ地域(ケニア、ウガンダ、ルワンダ、ガーナ、ガボン、カメルーン)のボランティア事業、南アジア地域(アフガニスタン、インド、パキスタン、ブータン、ネパール)の保健医療プロジェクトを担当する事になった。つまり幅広くグローバルな視点で「何でも屋」をこなしてきたのである。彼女の信条は「みんな違ってみんな良い」だという。まあ、あまり物ごとにこだわらないタイプの方なのである。
セレンディピティ―とは好奇心の強い人がふとした偶然のきっかけで幸運な出来事に出合う現象の事である。籠田さんはJICAに入る前(大学4年生の時)にケニアのNGOで5カ月間のインターンを経験した。また日本国内では全国規模のHIV予防啓発キャンペーン、保健所と連携しての高校や専門学校での性教育などにも携わった。大学時代のアフリカ体験を通じてもともと興味のあった国際協力への興味・関心が深まったので自然な形でJICAに就職し、その流れでアフリカでの生活に入って行く事になった。だから彼女のこれまでの道のりはアフリカに寄り添う不思議なセレンディピティ―とともにある。籠田さんと話をしていて彼女のこれまでの生き様は僕の「成り行き人生」ともどこか共通しているような気配を感じた。ひょっとすると彼女も人生の岐路に立った時に、安易な道は選ばずに困難な道を選択するのが好きな天邪鬼タイプではないかと直感したのである。