振り返れば、06年第1回大会は、「本気でやっているのは日本と韓国とキューバだけ」と揶揄されていた。09年第2回大会以降も本場メジャーリーグのスター選手はほとんど参加せず、13年第3回大会前は日本の選手会も収益金の配分に不満を唱え、一時不参加を表明したほど。が、「これからはどこの国もいままで以上に真剣に勝ちにくるはず」と日本代表に参加した経験を持つ日本の球界OBが、苦笑交じりにこう言っていた。
強敵は増える、選手集めは思うようにならない
「今大会では日本のライバル韓国が1次ラウンドで敗れ、キューバも苦戦が続いている。そのスキを突くようにイスラエルが台頭し、1次ラウンド・A組で3連勝した。もともと地力のあるC組のドミニカ、D組でメキシコをくだしたイタリアも侮れない。自分たちも世界一になれるチャンスがあるという手応えをつかんだからには、今大会だけでなく将来的にも、もっとWBCやオリンピックに本腰を入れてくるだろう。だから日本ももっと代表チームを強化するべきなんだが、これがなかなか難しそうなんだ。例えばの話、日本ハムの大谷翔平も、メジャーに行っちゃったら、侍ジャパンに参加するかどうか」
強敵は増える、選手集めは思うようにならない、それでいてプレッシャーは大きくなる一方となると、侍ジャパンの監督も大変だ。そうした事態を見据えてか、「一番いいのは、(今後は)もう隠居したような人を監督にしたらいいんだよ」と発言していたのは、第1回の監督を務めた王貞治・ソフトバンク球団会長である(3月7日付日刊スポーツ)。
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