2024年11月22日(金)

地域再生のキーワード

2017年6月10日

デスクで作業する河内さん

 自然発生的に集まった地域ジンも役割分担ができている。「裏方が合っている」と笑う岡田千代子さんは会計係。河内さんがもともといた会社で同期入社だった横川敬子さんは、公民館でバッタリ再会し、「応援したい気持ち」で右腕を買って出た。

 木田泰秀さんは写真やビデオの担当。川畑幸子さんは大学教授のご主人が先に地域ジンだったのに刺激されてメンバーとして活動してきた。皆できる範囲で無理をしない。それが長く続くコツなのだろう。

 地域ジンの結束力は強い。おそろいのTシャツを作り、背中には「だからこのまちが好き」と染め抜いた。金融機関など企業の協力も得て、ウチワやノボリも作った。ブランドに磨きをかけているわけだ。

受験勉強を図書室で行う地元高校生、
金山佑莉乃さん、平岡美空さん

 玖波も例にもれず少子高齢化が進んでいる。そんな中で希薄化する住民同士のつながりをどう取り戻すかが大きな課題だ。河内さんは今、次のステップを見据えている。若者と地域のつながりをもっと強くしようと考えているのだ。「中学生版地域ジン」と銘打った活動を始めつつある。

 公民館での河内さんの取り組みはコミュニティーの結束力を取り戻すためのひとつのヒントになりそうだ。

(写真・生津勝隆 Masataka Namazu)

  
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◆Wedge2016年10月号より

 

 


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