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子育ていろいろ 本いろいろ

2017年3月31日

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小川たまか (おがわ・たまか)

フリーライター

1980年東京生まれ。教育、働き方、性暴力などを取材。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(2018年/タバブックス)。Yahoo!個人「小川たまかのたまたま生きてる」(https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/)などで執筆。Twitter:@ogawatam

同じ言葉が毒にも薬にもなる

――NHKの番組では、子育てのどんな専門家の方にお話を聞くことが多かったのでしょうか?

天野:いろんな先生が毎回いらっしゃいました。先生同士でも、専門が違うと全く逆のことを仰ることがあるんです。たとえば小児科の先生は赤ちゃんが便秘気味のときに乳酸菌がいいからヨーグルトを勧めます。それは正しいんですよ。でも歯科の先生は、「乳酸菌は糖分と一緒に摂ると虫歯の原因になるから歯が生えてくる時期は控えましょう」と言う。同じように、あせもからかきむしって皮膚がただれる原因になるから夏の温度設定は18度くらいにって言う先生もいるし、3歳までに毛穴が作られるからなるべくエアコンを使わずにいっぱい汗をかかせましょうっていう先生もいる。そういうことが山のようにあるんです。

――どちらが間違い、どちらが正しいということではない?

天野:どっちも正しいのだけれど、お子さんによっては毒にもなるし薬にもなる。だからどちらの考え方も知って、オーダーメイドでこの子の場合にはこういう風にしましょうと考えることが必要。これは声掛けについても同じなんです。

――ある子にとって良い言葉掛けであっても、他の子にとっては毒になるかもしれない。

天野:そうなんです。逆になっちゃうかもしれない。

怒ってしまった後でもフォローできる

――『子どもが聴いてくれて…』は、「怒って落ちこむその前に」というサブタイトルがついています。実際、「本当はこうやって声掛けした方がいい」とわかっていても、子どもに怒鳴ってしまって落ちこむ保護者の方は多いだろうなと思います。

天野:保護者の方がいっぱいいっぱいになってしまうっていうことはあると思います。だからいつでも(良い声掛けが)できるわけではないですよね。でも、「きつく言ってやらせればいい」と考えているか、「片づけたい気持ちを育むことが大事」と考えているかだと、コミュニケーションは変わってきますよね。

――たとえばきつく言ってしまったとしても、その後の言葉でフォローできると思って大丈夫でしょうか?

天野:大丈夫です。大人が考えるよりも子どもの方がずっと頭がいいです。小さいうちは言葉に左右されることもあるかもしれないですけれど、言葉というよりもお母さんお父さんの感情・表情を見てるんですよね。

――表情について書いてある章もありましたね。読んでみて、大人ってそういえば無表情だなと思いました。

天野:社会でポーカーフェイスを求められたりしますしね。でも子どもとはいっぱい笑って接したらいいと思いますよ。先ほどの質問に戻りますが「子どもに怒ってばかりですけど、良くないでしょうか」って質問されること、よくあるんですね。でも、怒るって感情も私は人間にとって大事だと思います。だから「正しく怒りましょう」と。

 たとえば、仕事で何かイヤなことを言われて一日中何となくモヤモヤしていたとき、いつもは怒らないようなちょっとした子どもの言動で怒ってしまったとします。そういうときは、「ごめん。ママ怒っちゃったけど、本当に怒ってるのはこっちだったんだよ」と説明する。ママやパパも理不尽に怒ることがあるんだって子どもが思うことは全く悪いことではないので、親はきちんと説明したらいいし、おかしな怒り方をしてしまったら謝る。そして、5回怒ってしまったら50回くらいほめて(認めて)あげる。2回怒ったとしたら8回は笑う。バランスが大事ですね。

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