毎月のように、新しい子育て本、教育本が書店に並ぶ。教育熱心な親、子育てに悩む親がそれだけ多いということなのだろう。教育に関してはさまざまな考え方があり、どのような考え方を選ぶかは各家庭の裁量だ。ただ、一つの考え方に固執するよりも、他種多様な手段・方法・考え方を知って選択肢を持っておきたい。正解はないが、結果はあるのが子育て。あなたは親としてどう子どもと向き合いたいだろうか。この連載では、教育関連本を出版した著者の方たちにインタビューしていく。
今、親となる世代が子どもの頃には、スマートフォンはもちろんパソコンすらほとんど利用されていなかった。そんな親たちが、自分の子どもたちが早くからデジタル機器に触れることに戸惑いを覚えるのは仕方のないこと。スマホに使われるのではなく、使いこなすためにはどのような教育が必要なのか。大人でもスマホを通じてトラブルに巻き込まれることのある現代で、子どもに何を教えることが必要なのだろう。『子どもとスマホ おとなの知らない子どもの現実』著者の石川結貴さんに話を聞いた。
石川結貴(いしかわ・ゆうき)
1961年静岡県生まれ。ジャーナリスト。家族・教育問題、児童虐待、青少年のインターネット利用などをテーマに取材。豊富な取材実績と現場感覚をもとに、出版のみならず新聞連載、テレビ出演、講演会など幅広く活動する。著書に『ルポ 居所不明児童――消えた子どもたち』(ちくま新書)、『ルポ 子どもの無縁社会』(中公新書ラクレ)、『心の強い子どもを育てる――ネット時代の親子関係』(花伝社)など多数。
1961年静岡県生まれ。ジャーナリスト。家族・教育問題、児童虐待、青少年のインターネット利用などをテーマに取材。豊富な取材実績と現場感覚をもとに、出版のみならず新聞連載、テレビ出演、講演会など幅広く活動する。著書に『ルポ 居所不明児童――消えた子どもたち』(ちくま新書)、『ルポ 子どもの無縁社会』(中公新書ラクレ)、『心の強い子どもを育てる――ネット時代の親子関係』(花伝社)など多数。
スマホで稼ぎ、スマホで消費する「見えない流れ」
――『子どもとスマホ』は、中高生の子どもを持つ親をターゲットとした一冊ですね。
石川:はい。最近のデータだと、高校生の男の子で1日平均5時間、女の子で6時間使うという調査結果があります(情報セキュリティ会社デジタルアーツの調査 http://www.daj.jp/company/release/common/data/2016/022201_reference.pdf)。民間の調査会社のデータなので、参考程度と考えた方がいいかもしれませんが、女子の20人に1人が1日15時間使っているというデータも。
――15時間!? 寝る時間以外ほぼすべてですね……。中高生の親だと、自分もスマホを使いこなしている人も多いでしょうね。
石川:そうですね。読者層としては30~40代の方を想定しています。親もLINEユーザーで、FacebookやTwitterもアプリのゲームもやっているから「わかってる」って思っている。でも実は、子どもと大人のスマホの使い方は全く違う。その認識を持っていただきたい、危機感を持ってほしいというのがこの本の一番のテーマです。