2024年4月24日(水)

子育ていろいろ 本いろいろ

2017年1月6日

――『子どもとスマホ』の中に、戦闘系オンラインゲームに時間を費やし、不登校になってしまった男子中学生のケースが紹介されていますね。彼は真面目な性格で、ゲーム上で大人たちから「リーダー」として頼られるのでやめるにやめられなかったという……。

石川:子どもの方が時間の融通が利くことを利用されてしまう。彼が頑張ると、大人たちは「ありがとう。お礼にプレゼント」と言って有料アイテムをあげたりするんですね。私から見ると、うまく言いくるめられている。大人と同じ土俵に、子どもが否応なく乗ってしまっているんですね。講演で地方へ行くと、先生から「この辺りは田舎だからうちの生徒は大丈夫ですよ」と言われることがあるんですが、田舎も地方も関係ありません。同じネット環境にいるので。大人の認識が追い付いていないですね。

――お話を聞いていると、スマホへの依存はちょっとギャンブル依存と似ているようにも感じました。

石川:そうですね。行為への依存と言われています。スマホという機械にのめり込んでいるんじゃないんですよ。使うことによってたくさんの刺激や承認が得られて、それが欲しいからやり続けるという行為への依存です。

――ギャンブルの場合は一応年齢制限がありますが、スマホにはない。性的な内容でなければゲームにもないです。そういえばゲームの広告って「このゲームをやるとヤミツキになります」って臆さず書いてありますね。

石川:「ハマるプレイヤー続出中!」みたいなね……。スマホの何が特徴的かというと利便性ですね。日常的に使う便利な道具に刺激とか興奮が合体している。たとえば、車も日常生活の必需品で便利な道具ですよね。その車に居酒屋とかパーティー会場も合わさっているようなもの。知識もなく、社会経験も未熟な子どもがスマホをコントロールするってなかなか難しいです。居酒屋を併設した車を子どもが無免許で運転しているようなものではないでしょうか。

――スマホ依存やSNS依存は大人でも問題になるほどですもんね。

石川:テレビが登場したときも一億総白痴化とか言われたけど結局そうはならなかったから大丈夫っていう方もいらっしゃるのですが、スマホはモバイルでどこでも使える。隠れて使える。そこが今まではなかったことではないかなと私は思います。まあ数年後、数十年後にならないと何とも言えませんが……。


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