2022年12月5日(月)

子育ていろいろ 本いろいろ

2017年3月31日

»著者プロフィール
著者
閉じる

小川たまか (おがわ・たまか)

フリーライター

1980年東京生まれ。教育、働き方、性暴力などを取材。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(2018年/タバブックス)。Yahoo!個人「小川たまかのたまたま生きてる」(https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/)などで執筆。Twitter:@ogawatam

子どもに性の話を聞かれたら、ごまかさない

――書籍の最後の方に、「赤ちゃんはどこからくるの?と聞かれたとき」など、性に関する会話の例が紹介されていますね。とても大切なことだと感じました。

天野:性の問題は親の方もちゃんと習っていません。学校で教えてくれないけれど一番大切なこと、教えなきゃいけないことは性教育とお金の話です。全部の犯罪の根源って、この2つからなっていると思うんですよ。ここをきちんと教育しないツケが犯罪の数になると思うので、きちんとやらないといけない。でも親の方もそれを習っていないからうまくできない。

――今の学校教育では性教育をほとんどやりません。

天野:意識の高い先生や養護教員がいらっしゃるところは素晴らしかったりするんですけれど、自分の子どもがそういう教育を受けられるかどうかはわかりません。お子さんがママに聞いてきたタイミングを逃さず、まじめに愛情いっぱいに答えたいですね。5歳くらいまでに1回と、10歳前後で1回くらい質問されることが多いと思います。

――子どもも興味を持つ事柄です。

天野:5歳までの子どもの8割が「赤ちゃんはどこから生まれてくるの?」って聞くんです。「コウノトリが」とか「橋の下から拾ってきたのよ」とか誤魔化すのは良くないです。「あなたにはその話は早い」って言うのも良くないですね。「あなたは命の穴から生まれてきたんだよ」っていうお話をしてあげる。子どもにとってはいやらしい話でも何でもないんですよ。

――子どもの質問をいやらしいと思ってしまうのは大人の勝手な感覚ですよね。

天野:そうです。3歳頃になると自分やお友達の弟や妹が生まれることも多かったりしますから、お母さんの大きかったお腹がぺったんこになっているのを見ている。そういう疑問も生まれるでしょう。これは、自分はどこからどんなふうに生まれてきたんだろうというお子さん自身のアイデンティティを確かめる質問ですので、ごまかしたりせずに、本当のことを教えてあげたいですね。1番大切なのは、あなたは、みんなに望まれて愛されてこの世に生まれてきたことをわかるようにお話しすること。そして、子どもの質問にきちんと向き合って答えるのは、子どもの安心感にもつながります。もし子どもに性の話を聞かれたらそのときはチャンスなので、後ではなく、そのタイミングを逃さずに、その場でお話してあげてください。

――私は性暴力の取材をすることが多いのですが、その点からいっても性教育は必要だと感じています。

天野:性暴力というと被害者は女の子、というイメージがあると思いますが、男の子同士でも起こりうるということを保護者は知っておきたいところです。暴力というほどの意識は子どもたちにはないまま、親が知らないところで、性の被害が起きている可能性もあります。男の子、女の子、どちらにも「自分の体を大切に守ろうね。人に見られたり触られたりしてはいけない。いつか、大切な人が現れるまで、自分の心と体を大切に育てていこうね」と伝えられるといいですね。

今回のポイント
・5回怒ったら50回“認める”。バランスが大事
・親から働きかけるのではなく、子どもの「真似」を
・性の話はごまかさずに伝える

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る