テニス男子の元世界ランキング1位のアンディ・マリー選手（37、イギリス）が、パリ・オリンピック（五輪）を最後に現役を引退する。シングルスには出ず、ダブルスにかける。28日（現地時間）の1回戦で日本のダニエル太郎選手、錦織圭選手のペアと対戦する。
マリー選手は今月23日、五輪出場5度目となる今大会をもって現役を引退すると表明。BBCによる24日のインタビューでは、パリ五輪が引退の「適切な時期」だと話した。
25日には、シングルスを欠場し、ダン・エヴァンス選手と組む男子ダブルスだけに出場すると明らかにした。
同日の抽選会でマレー選手は、「オリンピックは自分にとってものすごく特別なもので、コートでの素晴らしい思い出がいくつかある。特にロンドンでは」と心境を説明。
「もう1回出られてうれしい。（シングルス欠場は）残念だ。単複両方でプレーできるように準備していた。ただ、少し年を取ってきていて、前に比べるとけがから回復しにくくなっている。時間切れだ」と述べた。
マリー選手はグランドスラム（4大大会）で3度優勝（2012年全米、2013年と2016年ウィンブルドン）。テニス男子で初めて、五輪で2度金メダルを獲得した（2012年ロンドン五輪、2016年リオデジャネイロ五輪）。
ここ数年は、けがに苦しんできた。今年3月には足首を故障し、6月のクイーンズ・クラブ選手権では背中を痛め、手術を受けた。
続くウィンブルドンはシングルスを欠場。兄ジェイミーと組んでダブルスのみプレーしたが、1回戦で敗れた。
マリー選手がダブルスに専念すると決めたことで、メダル獲得の可能性は高まったと、オーストラリアの伝説的な名選手、マーク・ウッドフォードさんは話した。ウッドフォードさんは1996年アトランタ五輪の男子ダブルスで、金メダルを獲得している。
「彼らにとっては勝ち進むまたとないチャンスで、どの国にとっても手ごわいペアになるだろう」
「マリーとエヴァンスの組み合わせは、メダル争いのダークホースのひとつだと思う」
「もしマリーがシングルスに出ていたら、ダブルスの準備が難しくなり、悪影響を及ぼしたかもしれない」
パリ五輪のテニスは、全仏オープンの会場と同じローラン・ギャロスで、27日から8月4日まで試合が予定されている。
マリー選手と同じく、ここ数年はけがに悩まされ、今大会が最後の五輪となるとみられているラファエル・ナダル選手（38、スペイン）は、1回戦を勝ち上がれば、長年のライバルで第1シードのノヴァク・ジョコヴィッチ選手（37、セルビア）と対戦する。
（英語記事 Murray out of Olympic singles but will play double／'Right time' for me to retire - Murray）
