2024年7月26日(金)

BBC News

2024年7月26日

ロシアと中国は24日、北太平洋と米アラスカ州沿岸近くのベーリング海の上空で共同パトロールを行った。

両国は過去にも何度か合同パトロールを行っており、ロシアは定期的に、ベーリング海上空に爆撃機を飛ばしている。

しかしこの日の共同パトロールは、両国の爆撃機が北太平洋地域でそろって飛行した初めてのものだった。

両国政府は「他国を狙ったものではない」と説明している。

一方、アメリカとカナダの北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、戦闘機を緊急発進させ、これらの爆撃機の進路を妨害した。爆撃機は国際空域にとどまり、「脅威とは見なされなかった」という。

しかし、リサ・マーコウスキー米上院議員(アラスカ州選出)はこの件について、「敵対国による前例のない挑発行為」だと述べ、「両国の爆撃機がそろって飛行していて進路妨害を受けたのは初めて」だと付け加えた。

中国は、このパトロールは「現在の国際情勢や地域情勢とは関係がない」と述べている。

ロシアによると、同国からは戦略爆撃機「TU-95MS」が、中国からは戦略爆撃機「H-6」がパトロールに参加した。

2022年2月のウクライナへの全面侵攻によって、ロシアが西側諸国から制裁を受けて以来、中国とロシアは緊密な関係を築いてきた。欧米は、両国の協力関係の深化を示すいかなる行動も、危機感を持って見守っている。

中ロ両国は今月初めにも、太平洋北部と西部で4回目となる合同パトロールを行った。

北大西洋条約機構(NATO)は、先に米首都ワシントンで開催された首脳会談後に共同声明を発表し、中国がウクライナにおけるロシアの戦争の「決定的な支援者」であると非難。ロシアの戦争努力に対する「すべての物質的・政治的支援を停止」するよう求めた。

また米国防総省は、22日に発表した北極圏の安全保障に関する報告書の中で、両国の「連携強化」に懸念を表明し、軍事協力は今後も拡大し続けるだろうと予測した。

ロシア大統領府(クレムリン)のドミトリー・ペスコフ報道官はこれを否定し、北極圏におけるロシアと中国の協力は、この地域の「安定と予測可能性」の雰囲気に貢献するだけだと述べた。

(英語記事 China and Russia stage first joint bomber patrol near Alaska

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cq5x1wqddvno


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