台湾に台風3号（ケーミー）が上陸し、南部沖で25日、乗組員9人が乗った貨物船が沈没した。救助当局が捜索に当たっている。
台湾の沿岸警備当局などによると、貨物船はタンザニア船籍のフ・シュン（Fu Shun）号で、台湾南部の港町・高雄の沖合に停泊していた。ミャンマー国籍の9人が乗船していたという。
このほか、3隻の外国船も座礁したが、無事だという。
台風はフィリピンにも大雨をもたらした。マニラ湾では、工業用燃料約150万リットルを積んだ同国船籍のタンカー、MT・テラ・ノヴァ号が転覆。ハイメ・バウティスタ運輸相は、乗組員16人が救助されたが、1人が行方不明だと明らかにした。沿岸警備当局はその後、行方不明者の遺体を発見したと明らかにした。
当局によると、現場の海域では数キロにわたって油が流出しているという。沿岸警備当局は、転覆が悪天候によるものか調べている。
台風3号は24日に台湾の東岸に上陸。当局によると、これまでに3人が死亡、数百人が負傷した。死者の1人は自動車を運転していて倒木に当たった。もう1人は横転したショベルカーの下敷きになったという。
また、台湾最大の軍事訓練の一部が中止となったほか、、ほぼすべての国内線と、200便以上の国際線が欠航を余儀なくされた。
フィリピンでは台風の上陸はなかったが、南西モンスーンが悪化し、24日には首都圏と北部地方で大雨となった。この災害で8人が死亡した。
1500万人近くが暮らすマニラ首都圏では、川や小川が氾濫し、大災害に見舞われた。
ソーシャルメディアで出回った映像には、胸の高さにまでなった水に浮かぶ小型車や、沈んだバスの屋根の上で動けなくなっている通勤客らの姿が映っていた。
台風3号は台湾を通過した後、中国大陸に再上陸する見通しとなっている。
（英語記事 Ship with nine crew sinks off Taiwan as typhoon hits／Live Reporting）
