2024年11月21日(木)

食の「危険」情報の真実

2024年7月24日

 激辛のポテトチップスを食べた東京都の高校生14人が体調不良で救急搬送される騒ぎが7月にあった。高校生の体調は回復したようだが、度を越えた辛さの食品の摂取は命を脅かすこともある。ゲーム感覚で激辛食品を食べる若者は少なくないが、激辛食品は飲酒の一気飲みと同様に大きなリスクがあることを多くの人が認識する必要がある。

高校生が「18禁カレーチップス」(右)を食べて搬送された(gyro/gettyimages、磯山商事ホームページ)

「危険な辛さ」が人気

 救急搬送された高校生が食べたのは「18禁カレーチップス」。製造・販売する磯山商事のサイトによると、このポテチにはブットジョロキアというトウガラシがふんだんに使われており、ポテチの箱には「辛すぎますので、18歳未満の方は食べないでください」などの警告がある。

「18禁カレーチップス」はその危険性を警告している(磯山商事ホームページより)

 ブットジョロキアは辛み成分「カプサイシン」を多く含み、辛さの度合いを示すスコヴィル値(SHU)が約100万。これは辛み調味料のタバスコの200倍以上の辛さという。まさに「危険な辛さ」だが、怖いもの知らずの傾向がある若者にはそこが魅力のようで、高校生の救急搬送騒ぎの後、このポテチは通販サイトの食品部門でランキング1位になっていた。同社はポテチの他にも「18禁」のカレーやカップ麺、チョコレートを販売しており人気のようだ。

 報道によると、救急搬送された高校生のポテチは生徒が学校に持ち込み、昼休みに33人で回し食べしていた。持ち込んだ生徒は以前食べたときに体調を崩さなかったこともあり、辛い物が好きな友達に食べてもらおうと思ったという。

 激辛ポテチでみんなを楽しませようと思ったのだろうが、下手をするとだれかが死んでいた可能性があったことを学校や保護者は生徒に伝えただろうか。


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