2024年4月16日(火)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2017年5月23日

トランプは弾劾されるのか

 これまで、3人の大統領が罷免の危機にさらされてきました。1人目がアンドリュー・ジョンソン大統領です。1868年同大統領は、議会との対立で弾劾裁判にかけられました。2人目はリチャード・ニクソン大統領です。同大統領は弾劾訴追をうけると、1974年8月9日辞職します。辞職直前の支持率は24%でした。現在、トランプ大統領に熱狂的な信者の中には、コミー長官解任は当然でありむしろ遅すぎたと主張して支持している信者がいます。同大統領の支持率は30%後半から40%前半で推移していますが、30%以下になると赤信号が灯るでしょう。

 3人目はビル・クリントン大統領です。同大統領はホワイトハウスの研修生モニカ・ルインスキー氏との不倫問題もみ消しで弾劾裁判にかけられましたが、大統領罷免には至りませんでした。大統領弾劾には下院で過半数、上院で3分の2の賛成が必要です。

 トランプ大統領弾劾のシナリオは、来年行われる米中間選挙と絡んできます。任期2年の下院議員、殊に共和党下院議員の動向がカギを握ります。彼らはトランプ大統領を擁護するのが得策か、それとも同大統領を「司法妨害」及び「権力乱用」で非難するのが自分の選挙結果に有利に働くのか計算をするでしょう。後者を選択すれば、トランプ大統領弾劾は加速します。

 仮に次の中間選挙で民主党が勝利して多数派を奪回した場合も、トランプ大統領弾劾の可能性は増します。冒頭で述べましたように弾劾のハードルは高いのですが、その芽が出てきたことは看過できません。

  
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