2024年7月15日(月)

こんな子 こんな時 こんな絵本

2010年7月29日

「弟はかわいい?」 「べつに…」

 おはなし会に、お母さんとやってくる男の子がいました。気がつくと、お母さんのお腹が大きくなって、「ぼく、お兄ちゃんになるんだよ!」とうれしそうに教えてくれました。そして、弟が誕生。しばらくの間、おはなし会にはお父さんとやってきました。「弟はかわいい?」と聞くと、「べつに…。」お父さんに隠れるように返事する姿は、ちょっと寂しげだったことを覚えています。でも、お母さんに抱かれて参加するようになった弟が成長するにつれ、なんとかいがいしく面倒をみるお兄ちゃんになったことか。やがて、2人だけでおはなし会のシートに座るようになり、ご両親は、後ろから見守るようになりました。おはなし会には、たくさんの子どもたちが来てくれます。その中で、それぞれに成長していくきょうだいたちの様子を見ることができるのは、嬉しいことです。

 きようだいの様子も、実はいろいろです。兄と弟、兄と妹、姉と妹、姉と弟。そして、2人きょうだいとはかぎらないわけで、3人、4人、それ以上。当然男女の割合も、年の差も様々です。「兄弟は他人のはじまり」などという言葉もあれば、いくつになっても、仲の良い兄弟もあります。

 私の母は、4人女が続いた後男2人の6人兄弟の次女。上とも下とも比較され、なんとも損な立場だったとよく聞かされました。父は、妹1人を含む4人兄弟の長男。時代の影響もあって背負った“父親代り”という役回りは、苦い想い出が多いようです。それでも、それぞれのきょうだいたちを気にかける繋がりというか結束は、私には理解不能のことが多かったです。両親は、私を一人っ子にするつもりはなく、事実、お姉ちゃんになりかけたのですが、実現はしませんでした。もし、自分がお姉ちゃんになっていたら、どうなっていたか? 今では、考えるのも不自然なことになっています。兄弟がいるか、いないかも、上になるのか、下になるのかも、当人たちに選択の余地はありません。親子の関係より、さらに不思議なものに思えてくるのは、私が、どうやっても実感することのできない立場にあるからでしょう。

きょうだいがいることの喜び

『ぼくのかわいくないいもうと』(ポプラ社) 浜田桂子 著 とにかくやんちゃな妹に振り回されるお兄ちゃん。年子のきょうだいに特におすすめの絵本。

 『おねえさんといもうと』(小峰書店)の妹は、お姉さんと自分の違いを「わたしは、おねえさんにおいつくところなの」と言って受け入れています。そして、「おねえさんは、おねえさんでいるのがとてもじょうず。わたしはいもうとでいるのが、いつだっておねえさんよりずっとうまいのよ」と言って、とても仲よしの2人です。ぼくは、毎日『ぼくのかわいくないいもうと』(ポプラ社)に悩まされ、振り回されているっていうのに、ともだちのにいちゃんやねえちゃんは優しくて、かっこ良かったり、いもうとやおとうとは、かわいいんだろう? なんで、ぼくだけ不幸なんだ。と思っていたお兄ちゃんですが、いざ、妹が病気になると、やさしいお兄ちゃんになるのはなぜでしょう。

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