赤坂英一の野球丸

2017年6月28日

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 そんな親会社の出向組にしろ、選手上がりにしろ、日本のGMはメジャーリーグのようにチーム編成に関する全権を与えられているわけではない。億単位の資金を要する補強には親会社の決済が必要で、高いカネをかけて獲得した戦力が役に立たなかったら、どこを見て獲ってきたのかと批判される。チームが低迷すればなおさらで、巨人の堤氏も解任前は連日のように読売グループ首脳から電話でやいのやいのと責め立てられていたそうだ。

 これは読売内部では有名な話で、「いくら何でも堤さんが可哀相です。以前の清武さんのように巨人のGMをやりたがる人なんて、読売にはひとりもいませんよ」と関係者の間ではもっぱらだ。こうなると、そもそも日本球界にはGMという役職はそぐわないのではないか、と考えたくもなってくる。

日本でGMとして成功した人物

 しかし、GMとして成功した人物がひとりもいないわけではない。例えば、先のDeNA・高田GMが「おれが日本ハムで評価されたのも彼がいてくれたおかげ」と評した吉村浩氏である。もともとはスポーツ新聞の記者で、メジャーではデトロイト・タイガース、国内では阪神で編成部門を担う要職を歴任し、05年にGM補佐として日本ハムに入団。ファームからスカウトまで大胆かつ合理的な改革を押し進め、ドラフト、トレード、FAなどで次々に有望選手を獲得、常勝チームを作り上げた。今年、トレードで巨人から獲得した大田泰示が最近の好例だろう。

 私は吉村GMとは記者時代から顔見知りで、彼が手がけた選手管理の仕組みも何度か取材している。とりわけ、二軍の各担当コーチに個別にパソコンを支給し、現場首脳陣やスカウトからオーナーや球団幹部ら上層部まで、個々の選手の情報を共有できるシステムには目を見張らされたものだ。

 そう言えば、鹿取GMも二軍投手コーチとして巨人に復帰した1998年には、率先してパソコンを使った動作解析などの最新技術を導入していた。日ハムの吉村GMとは、彼が巨人担当だったころからの知り合いでもある。となると、これまでにない選手上がりのGMになれるか、今後の活動に注目したい。

  
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