「実在しないか、もしくは実在してもごく少数の意見」に対する怒り
さらにツイッター上で話題となったのは、「ディズニー目撃説」。海老蔵さんが2人の子どもを連れてディズニーランドを訪れた様子を目撃したという投稿があり、一部で「不謹慎」の声が上がった。そして、これに対して怒りをあらわにする人が続出した。「叩く方がどうかしてる」「いつなら不謹慎じゃないの?」といったツイートが多く拡散されている。
海老蔵さんは麻央さんの闘病中から、たびたび子どもを連れてディズニーランドを訪れる様子を投稿していた。年間パスポートを持っているらしく、忙しい中、午前中など数時間だけ遊んだと思しき投稿もあった。特別な場所というより、よく訪れるお馴染みの場所なのだろう。
一方で、この「炎上」に関しては、次のようなツイートもかなり拡散されている。
「『海老蔵がディズニー行ってて不謹慎とか言ってる奴がいるけど、じゃあ何時なら不謹慎じゃないんだ!』みたいなのがTLに流れてきたので海老蔵ディズニーを不謹慎と叩いてる人がいるのか検索したら1人も見つからんかった。」(「みんないったい何と戦っているんだ……」というイラスト付き)
目撃情報が書き込まれたネット上の掲示板では「喪が明けないうちから…」などの意見があったようだが、ツイッター上ではこういった意見は確かに少ない。むしろ、引用したツイートのように不謹慎と言った人を非難するコメントの方が圧倒的に多いと感じる。
この件に限らないが、ツイッター上ではしばしば、「実在しないか、もしくは実在してもごく少数の意見」に対して怒りを表明する様が見受けられる。そしてその怒りの表明は多くの共感とともに拡散され、拡散数が増えるほど、さも批判する対象が巨大であるかのように見える。「こんな意見があった!」と過剰に言い立てることは、デマにも似ている。
そういえば麻央さんの訃報に関しては、実在の弁護士に対する嫌がらせ目的の「なりすましツイート」が拡散され、そのデマに騙された人が多かった。
ブログ更新やディズニー行きを非難する人、非難する人を咎める人、なりすましツイートに騙される人、デマに怒る人……。悲しみや怒りが飛び交っている。それもこれも無情な運命を目の当たりにし、多くの人が感情の行き場をなくしているための混乱と見るのは、甘い結論だろうか。
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