2022年10月7日(金)

From LA

2017年7月27日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

ソーラールーフだけで走行できる車?

 ソーラールーフにより発電しながら継続走行できる車を作り出すことは不可能なのか。実は世界にただ一社、「公道を走行できる自家発電EV」を売り出す企業がある。オランダに本拠を置く「ライトイヤー」社だ。同社では「ライトイヤー・ワン」と名付けた車を企画しており、現在手付金1万9000ユーロで予約受付中だ。販売価格は11万9000ユーロから。

 ライトイヤー社によると「ライトイヤー・ワンはそのアエロダイナミックなボディと軽量化により、ソーラールーフによる発電での走行距離を飛躍的に伸ばした。1回の充電で400〜800キロの走行が可能になる」という(場所により日照時間や強度などに差が出るため、ソーラーパネルでの充電にはばらつきがある、とライトイヤーでは語っている)。https://www.lightyear.one/

 ライトイヤーは元々「ワールド・ソーラー・チャレンジ」というソーラーパワーのみでどれだけ走ることができるか、という大会に参加したオランダ、アインドホーヴェン技術大学の学生らが生み出した会社だ。大会では「ステラ」と名付けられたカーボンファイバーとアルミで出来た超軽量の車を用いることにより、長距離走行を可能にした。

 ただし大会用の軽量車両を作るのと市販可能なモデルの制作の間には大きなギャップがある。ライトイヤーでは全ての安全基準に合致する車の製造に成功した、としており、昼間のソーラーパワーで生み出された電力をバッテリーに蓄えることで夜間の走行も可能、としている。

 ライトイヤーは2019年に最初の10台を制作し、2020年には100台のライトイヤー・ワンを製造する予定だという。まだ実車が公式に発表されていない以上、このような車が本当に存在するのかは不明であるが、実現したとしたらEVの世界に大きな衝撃を与えることになるだろう。マスク氏ですら匙を投げた技術を大学生が実現する。EVにはまだまだ面白い技術、アイデアが登場する余地がある。

  
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