田部康喜のTV読本

2017年8月23日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

青春ドラマの感動のツボを押さえた筋立て

 ドラマの場面展開は速く、そのシーンそのシーンで描かれる青春のひとコマは、爆笑を誘い、ときにホロリとさせられる。奇抜なドラマにみえて、その筋立ては青春ドラマの感動のツボを押さえている。

 矢波高校の不良グループを束ねる、市橋(新田)とトビオは蓮子をめぐる恋のライバルである。市橋は校舎の大爆発事件で大けがを負って、車椅子暮らしとなる。事件がトビオをはじめ4人グループの犯行だと確信している市橋は、トビオを殺そうと行き先を探る。

 蓮子は市橋にこういう。

「一緒にトビオを探そう。市橋は殺すために、わたしはコクるために」と。

 逃走を続けるトビオに想いを寄せる蓮子は、自分の恋を実感するようになったのである。

 市橋はけがによって、不良グループのトップの座を追われる。

 市橋と蓮子が一緒にいるところを見つけた不良グループは、ふたりを拉致して、蓮子に乱暴しようとする。市橋は自分に突き付けられたナイフを手に握って、自らの脇腹に刺すという行動にでる。不良グループは驚いて、逃げ去る。

 病院のベッドで目をさました市橋は、そこに蓮子の姿を見出す。

市橋 死んだって、ばあちゃんが、悲しむぐらいだし。死んだっていいんだ。
蓮子 私が悲しむ。

蓮子 生きていればいいことがある。自分を傷つけてはいけません。わかりましたか?
市橋 ひとつだけ。おまえのこと、好きだっていってなかったっけ?

 市橋は蓮子の顔を引き付けて、口づけしようとするのだった。

 一方、事件にかかわった4人組のうち、パイセンが容疑者として逮捕された。男子高校生が着替えするのを盗撮していた、化学教師のビデオ映像から、被り物をしたパイセンが小爆弾を仕掛ける際に、地面に落ちたひとつを蹴ってしまい、それがプロパンガスのボンベの近くに滑り落ちたのがわかったのである。

 ドラマは第5回(8月15日)に至って、警察にパイセンと顔と姿が似ている男が、爆発事件の犯人として自首する事態となった。パイセンは釈放される。

 自首する勇気ないままに、トビオはボーリング場で無銭飲食ならぬ、カネなしでゲームをして警察に通報してもらって逮捕されようとする。

 そこに、1万円札を数枚振りながら、「なんぼでっか?」とパイセンが現れる。

 「そこそこの人生に戻れる」と喜んだトビオであったが、ドラマは終盤に入ってどのような真実が浮かび上がるのだろうか。

  
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