2024年7月16日(火)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2017年10月3日

 タンパク質というのは、筋肉や臓器の原料である。私たちの身体はタンパク質でできているといっても過言ではない。同時に、タンパク質が分解してできるアミノ酸は、身体の各部でそれぞれが正しく機能するために重要な働きをしている。血液中のアミノ酸が不足している“朝飯前”は、食べ物からアミノ酸を(その原料であるタンパク質食品を)速やかに補ってやる必要がある。

 糖質というのは(甘い物という意味ではなく)主食になる食材、つまり、ご飯・パン・麺類。タンパク質食品というのは、牛乳・乳製品、卵、肉、魚、大豆製品など。この両方を比較的簡単にいっしょに食べられるものといえば、たとえば、卵かけご飯や納豆ご飯(に野菜入りの味噌汁が付けば理想的)、あるいはハムサンドや卵サンドやチーズサンド(に牛乳が付けば理想的)。

 外食店を利用するのなら、牛丼屋のハムエッグ定食や納豆定食をすすめる。ハンバーガーやホットドッグが好きならそれでもOK。ただし飲み物はコーラではなくミルクにする。牛乳が苦手な人はヨーグルトに。

 これらに加えて(経済的に余裕のある人・余裕のある日は)果物をプラスする。種類は何でもよいので、その季節で最も安い旬の果物を! 果物と野菜に期待するのは主としてビタミン類。プチ断食状態が続いた“朝飯前”はこれらも不足しているので、速やかに食べ物から補給したい。もちろん野菜でもいいのだが、野菜は「簡単に食べる」というわけには、なかなかいかないだろう。なので果物。

食べないよりはましの「だけ朝食」

 「これも無理」という人は、しかたない・・・・糖質かタンパク質かビタミン類のうちの「何かしら」を補給しよう。

・シリアルと乳製品
・おにぎりと果物
・バナナとヨーグルト
・ブドウパン(あるいはクルミパン)と牛乳
・チーズパンとジュース

 それもだめなら、もう最後の手段=「だけ朝食」。ほんとに「食べないよりはまし」程度。

・乳製品だけ
・果物だけ
・肉まんだけ
・ゆで卵(コンビニのおでんでもいい)だけ
・スムージーだけ
・野菜サラダだけ

 最後に紹介した「だけ朝食」を実践するに当たっては、3つだけ覚えておいてほしいことがある。

1:これは「食べないよりはまし」の手段であり、本来はきちんとした朝食をとるほうがいいと心得ること。そして、できればなるべく「本来の食事」パターンのほうへと移動すること。間違っても逆の方向--たとえば菓子パンだけやケーキだけ、あるいはサプリメントだけ--のほうへとはズレこまないように。

2:これはビジネスパーソンの「最後の手段」なので、子どもには適応しないこと。朝食が持つ意味は「栄養成分の提供」だけではない。とりわけ子どもにとっては(それも大事だが)食事は「好ましい食習慣を身につける」ための優れたツールでもある。子どもは食事を見て「健康のためにはこういう物を食べればいいんだ」ということを学ぶ。いくら忙しくても、栄養成分が整い・食文化を反映し・安全性も学べる教材を朝食(に限らずすべての食事)で示したい。

3:朝食をしっかり食べようとしたら、朝食だけに留意していてもダメ。朝の体調は前日の夜の過ごし方に大きな影響を受ける。寝る直前には摂食しない、夕食を過剰には食べない、夜はできるだけ早くに寝る・・・・これらのことを実践すれば、朝は早くに起きられるし、食欲も出る。

 理想をいえばキリがないのだが、何も食べずに会社に出かけるという習慣は、明日から止めよう!

  
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