総合職の数を絞り込み、会社にとってのコアのノウハウをもった人に育て上げないといけない。景気がよくなろうと悪くなろうと、総合職は毎年、同じような数を維持し、コンスタントに採用し続けないと、大企業は成立しないのです。一方で、営業や経理など実務的な仕事につく人は、総合職とは別の枠で採用するべきなのです。
ところが、今なお、多くの大企業が総合職として大量採用をしています。学生の側も、就職意識ではなく、就社意識のままの人が少なくないのはないでしょうか。社会にも、就職意識を強く求める世論があるわけではないようです。この状況で総合職を大量採用していくと、20~30年後に、今のバブル世代と同じような結末になることもありえます。
バブル世代の扱いに苦慮する大企業の姿は、程度の違いはあれ、多くの中堅、中小、ベンチャー企業も抱えています。実は、バブル世代の下の20~40代にも、能力、成果、実績と賃金が見合わっていない社員は少なからずいます。しかも、そのまま放置されています。
日本企業の人件費の管理がいかにどんぶり勘定で、杜撰で、いい加減であるのかが、今後、はっきりとわかるはずです。メガバンクのリストラはその一端であり、バブル世代を狙ったリストラはそのほんの一部でしかないのです。ここまで含めて考えていくべきなのではないか、と私は思います。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。