Wedge REPORT

2018年2月4日

»著者プロフィール
閉じる

中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

古いイメージを払拭

 メイントレーナーには元WBC(世界ボクシング評議会)のチャンピオンも加わり、無理なくボディメイクができるという。会員には目標をもってボクシングをしてもらおうと、来月には1級から10級までの「ボクシング検定」を設ける計画だという。葛西氏は「目標を持ってもらえば励みにもなるし、レベルに応じた指導ができる」と話す。

 4階建てのビルの2階はカフェ、3階にスタジオ、4階に公式と同じ広さのリングがある。壁にはマイク・タイソンなどチャンピオンとして活躍した往年の有名選手の大きな写真が張り付けてある。

 会員の半数が女性であることから、汗の臭いなどがこもらないように換気には特に注意している。ボクサーの減量学に基づいた、シェイプアップのための特別なコースも用意、サンドバックは手首などを傷めないようにソフトなものにするなど、初心者が楽しみながら運動できるように細かい配慮をしている。ボクシングというと、怖い、古いイメージがつきまとうため、こうしたイメージを払拭するため、きれいで清潔な印象を大事にしているという。

「内助の功」

 「GLOVES」がオープンにこぎつけることができたのは、ここを運営する会社Hubbyの社長を務める葛西裕美子夫人(45)のサポートがあったことが見逃せない。いまでは葛西裕一氏は「GLOVES」のPR、会員の勧誘、指導などを担当、裕美子社長はもっぱら経営を担当、手綱を引き締めている。

 社長はそれだけではなく、ボクサーが履くパンツの製造販売も引き受けている。以前に世界タイトルマッチを観戦した際に、選手が計量するときに履いていたパンツがみすぼらしかったことから、「それなら女性目線で魅力あるパンツが作れるのではないか」と思い立ち、2016年11月から、機能性とデザイン性を兼ね備えたアスリートが履くパンツの販売を始めた。

 「肌に付けるものなので製縫にはとことん国産にこだわった」そうで、「最初のころに製縫に納得がいかなかったため、全品返品して作り直させたこともあった」という気の強さが経営面で役立っている。デザインは幼ななじみの友人が担当、昨年初めにバレンタインデーを前に出したカップケーキのデザインは良く売れた。1着3980円(税別)と安くはないが、斬新なデザインが目に留まるようで、通販とジムで年間800着ほど売れているという。夫の裏方として支えてきた裕美子社長は「経営の方は任せてもらっている。『GLOVES』を早いうちにブランド化し、最終的にはプロボクサーとしてチャンピオンになれなかった夫を、ビジネスの世界でチャンピオンにしてあげたい」と盛り立てる。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る