何をもって家族に貢献するかは、人それぞれ
田永:お互いのお子さんについて、接し方や役割のルールなどはあるのでしょうか。
M子さん:明確な線引きはしていませんが、なんとなく私は料理、家事担当で、彼は教育担当という役割です。
私は、料理が好きで、家事もテキパキとこなしますが、子どもたちの教育全般は苦手です。
苦手という認識はなかったのですが、パートナーが子どもたちと接する様子を見ていて、自分より彼に任せるのが良いと痛感しました。
私は比較的子どもたちを可愛がることは得意ですが、根気よく対応できず、忙しさや生活リズムなどを理由に、根負けしてしまいます。
彼は、非常に根気よく勉強を見たり、子ども同士の揉め事の仲裁、スポーツへの取り組み方、社会性など、自分の経験を元に子どもたちに語りかけてくれます。
特に共働きだと、子どもが保育園や学校・学童で過ごす時間は長くなります。子どもの様子を観察することや会話をすることも、家事に追われて疎かになりがちです。
私はシングルマザーである時に、仕事と家事をやり切ることを重視し、子どもたちの変化にあまり気付いてあげられませんでした。
パートナーと出会い、私の子どもたちと会話してくれたことで、子どもたちの考えや悩みに昔よりも寄り添えるようになったと思います。
何をもって家族に貢献するかは、本当に人それぞれだと思います。パパが料理得意ならパパがやれば良いし、ママが教育やスポーツが得意ならママがそれを担当すれば良いと思います。
(元シングルママのウィッシリストは最終ページに)
田永:自分の場合、4歳と1歳とまだ小さいからかも知れませんが、教育という観点はあまり意識できていなかったです。可愛さあまって、娘を甘やかしているのではないかと心配になることがあります。別のコラムで書きましたが、子どものために尽くすジョン・レノンのパパ像が頭の中にあるからかも知れません(笑)。ちょっと古いですかね。パートナーさんの教育メソッドが気になります。
パートナーさんの子育てで、モチベーションの上げ方が非常にうまいとお伺いしましたが、どのようなものなのでしょうか。
M子さん:彼がいつも言うことは、同じです。
「子どもたち自身が自分の成長や成功を喜べる子になってほしい」
嘘をついたり、人から信頼されないことをしていたら、叱ります。
一方、子どもたち自身が「これができるようになりたい!」と心に持って努力している時、成長を喜んでいる時、「誰かに何かしてあげたい」と心を込めている時は、とても褒めます。
いくら結果が良くても、心なくして獲得したものは、彼は評価しません。逆に、結果が伴わなくても、本人が一生懸命取り組んだことはしっかり褒めてあげています。