M子さん:一方、彼は、違う意見を持っていました。
「シングルペアレントというだけでも、子どもの社会の中では「うちと違う」という目で見られる。加えて、再婚やら新しい血のつながらない兄妹ということは、好奇の目で見られる可能性もある」
子どもたちは、皆仲が良いですが、本当の兄妹同様に時には嫌な想いをしたり、させたり、色々とあります。
パートナーは、「もしかしたら、将来、生みの親に会いたいとか、一緒に暮らしたいとか、考えたり、言ったりすることもあるかもしれない。でも、そういうもんなんだって理解してあげよう。それでも、子どもたちに愛情持って接していたら、きっと分かる日が来るし、分からなくても仕方ない。そういう複雑なものだと受け止めよう」
「無理に一つの家族になろうとせず、二つの家族がうまく暮らしていける道を模索すればいい」
そういう風に言っていました。
確かに、生い立ちや価値観も異なるわけですから、感じ方などもそれぞれに異なります。
結婚という制度により、無理に兄妹にさせられていないことが、こういう時に子どもたちに受容や理解の余白を残せていると、私も今は、彼に同感です。
ステップファミリーでいることで子どもに降りかかる困難が増えると考える彼の意見を聞いた時は、この関係性が不幸ならば、そもそも付き合わなければよかったんじゃないかと、極端な反応をしてしまいました。
彼は、「それでも、母親父親がいないよりは、絶対にいた方がいい」と。
田永:「無理に一つの家族になろうとしない」と「母親父親がいないよりは、絶対にいた方がいい」のコメントは、近しい状況の方々にとって大変参考とになる言葉ではないでしょうか。
制度的に結婚していれば家族の役割を果たしているわけではなく、父・母・子どもとの関係性を築けてこそ家族であると思います。その関係性を築くための愛情を注ぎながらも、子どもの感じ方は子どもに委ねている点がすごいと思います。
逆に関係性を作る努力をしてない人が制度の下で油断したり、固執してしまうことがあるのかも知れません。3分の1の結婚が離婚に終わる現代、結婚がゴールでなくて、その先の家族としての関係性をどれだけ大事にできるかが、重要なのだと再認識しました。
そして、お互いのお子さんにとっても、一緒に過ごし、相談できて、一緒に遊べるパートナーがいることは安心感に繋がっていると思います。